甘くていい香りがする。
彼女は今日も何か作っているようだ。
「君は、相変わらず料理が好きだね」
『あっ!槙島さん、おはようございます』
「おはよう」
彼女は、僕と同じ この世界に疑問を抱いている。
自分は 人らしく生きるのだと言って、この世界に抗う意味なのか、毎日こうやってキッチンに立って料理をしているのだ。
『今日は、バレンタインデーなんですって
さっきテレビでやってました。私、イベントごとには疎くって…ついさっき知ったんです』
「バレンタインか、今では手作りのチョコを渡す人間は めっきり減っているだろうね」
一昔前なら、女性にとっての一大イベントだったであろうバレンタイン。しかし、今の時代 自らキッチンに立ち 料理をするという習慣は、ほとんどないに等しい。
『槙島さんは、甘めと苦めどっちが好きですか?』
「奈々の作る料理なら、僕は何でも好きだよ」
『んなっ?!//////』
それが1番困るんです!なんて言いながらも手を動かす彼女の顔は、ほんのり赤く少しだけ口元が緩んでいた。
愛情込めたチョコレート
『じゃあ、私の甘ったるい愛情たっぷり入れて あんまーいチョコ作っちゃいますよ?』
「奈々の愛情なら大歓迎だね」
『ちょっと!ま、槙島さん?!じょ…じょ、冗だ…』
「冗談なんて言わせないよ」
『………!?/////////』
君といると僕は、どんどん我儘になるんだ。
- あとがき -
槙島さん…難しいです(笑)
頭がいい人難しいです…
私がバカだから。あはは〜
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