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放課後、彼女と帰る道はまるで花畑のようだ。
あぁ…なんて美しい道なのだろうか!!
『知りませんよ、勝手に私を拉致して…博臣先輩殺されちゃいますよ?』
「ふっ、あんな奴に負けるわけがない」
『まぁそうですけど…』
このまま家に連れ帰ってしまおうか。
それとも、彼女の家に行ってみようか。
どっちも 美味しいシチュエーションであることに変わりはない。
『言っておきますけど、どちらも却下ですから』
「何てことだ!!愛の力で、ついに俺の心が読めるようになったのか?!」
『いえ…心の声が、はっきりと外にだだ漏れでしたよ…』
「さすが奈々だ!!俺の彼女なだけある」
『いや、だから…(声に出てんだよ!!…ってもう、何言っても無駄か…)』
天にも登ってしまえそうだ。
これは、所謂 放課後デートというやつだろ?
美月、ごめんな。
お兄ちゃんって罪な男で…
『そのまま天に登ってしまえ』
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