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今日は、聖凪が休みだ。
なぜなのか理由は知らない。
前から定期的に、私に黙って
何か書類を作っては送ったりしている。
きっと今回も、それの類いだろう。
『放課後になった途端、両脇を抱えられ 拉致されたと思えば…文芸部ですか?』
「あら、ごめんなさいね。変態が手荒なマネをしてしまって」
今、目の前にいるのは
博臣先輩の妹である、美月先輩だ。
『で、何で私は拉致されたのでしょうか?』
「暁さん、文芸部に入らない?」
『それを言う為だけに拉致を…?』
「あ…いや…あはは」
なんとも歯切れの悪い神原先輩…
『部活…ですか。
たまに顔出すくらいなら、入部しても 構いませんよ』
「本当に?!」
やっとこれで、博臣のワキワキ攻撃から 解放される!!
なんて言っている神原先輩…
あんた、私を利用したのね…
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