かじかじ かじかじ
「にー」

あー。
痛む右腕が、もう朝なんだということを訴える。
そろそろ違う起こし方を覚えさせようかな。
瞼を閉じたままそんなことを考えた。
カーテンの隙間から入る光を眩しく思いながらゆっくりとそれを開く。

「・・・カスミ、起きたから。止めていいぜ」
「にゃ、にゃあ」
「起こしてくれてありがとな」
今日は日曜だからもう少し寝れるはずだったけど。
8時を指している時計から目線を落とし、噛み跡と微かな痛みが残る腕に苦笑する。

3回揺すって起きなかったら腕を噛む。

これが中々起きない自分を起こすため、カスミが考えた起こし方。基本眠りの深い俺が揺する程度で起きれるはずもなく、必ずと言っていいほど噛まれた痛みで目を覚ましていた。

「まあ、最初の頃に比べたら、カスミもちゃんと加減を覚えたよな」
「?」
今はある程度甘噛みになったけど、最初の頃は腕が千切れるかと思った。
それでもしっかり起きれるからママはカスミを褒め、文句は言えないまま、もうすっかり馴染みになってしまったのだ。

「にゃー・・・」
「ん?」
少し下がったトーンの声がした方を見れば、ベッドから下りない俺を不思議に思ったカスミがもう一回噛もうかと思案顔になっていた。
慌ててもういいよ、ありがとな、と撫でてやると、その手に擦り寄りながら気持ち良さそうに目を細める。
その様子を見て自分の頬が緩むのがわかった。

「よし、今日は遊びに行くか。この前ブランコ気に入ってたし、公園にでも、な!」
せっかくの休みなのだ。朝早く起きたのは少し悔やまれるが、その分楽しめる時間が増えたと思えばいい。

「!」
ブランコ、という単語にカスミは目を見開いてピンと耳を張る。

さらに喜びを示すように、長いしっぽが左右に揺れていた。






 


1日のはじまり
(慣れるとそれでしか起きられなくなる不思議)



―――――――――

THANK YOU 5000 HIT
りこ様へ

まずは大変遅くなってしまって申し訳ありません!
しかも短くてごめんなさい(土下座)

「猫パロの続き、かわいいカスミ」ということでかわいいカスミちゃんを目指しました。
・・・撃沈しました←ぇ
でも愛情たっぷりです。やっぱり猫カス好きです。きっとブランコでは楽しくてついパッと手を放しちゃってすっころんでサトシに心配されて涙目になりつつもう一回チャレンジしてます。そしてそれを繰り返してます。

こんな物でも受けとってもらえたら幸いです^^;
りこ様のみ、お持ち帰り、返品、いつでもOKですので、気に入らないところがあればお申しつけ下さい。
この度はありがとうございました!


2010616
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