挑発的な瞳が始まりの合図。
いつものようにシワになる服など気にせずシーツに倒れ込む。
既に目の前の相手以外眼中にない。
荒い息遣いが心身を煽り、乱れる髪は月明かりに色濃く映える。
甘い唇を求めたのはどちらからか、一度絡めるとそれは止まることを知らない。
妖艶な表情に悩まされ、肌が擦り合えば合うほど全身の感覚は相手に呑まれる。
知り尽くした互いの体を丁寧になぞり、相手が堪える仕種を見せる度にほくそ笑んだ。
「カスミ」
男の低い声は女を震えさせ、
「んっ・・ぁサ、ト」
女の艶姿は男を痺れさせた。
お互いの限界までそれは続き、最後には甲高い声と苦しげな声が混じり果てる。
シーツに深く沈んで息を整え、余韻に浸ったのもつかの間、またどちらからともなく求め出すのだ。
快楽に溺れた2人の夜が静まることはない。
「・・カスミ、・・カスミ」
「んー・・・なによ」
「もう起きろ。そろそろ時間だ」
「もう?・・・ッ、サトシ、少しは加減しなさいよ」
「欲しがったのはカスミだろ?俺はその分応えただけだぜ」
同じベッドの上でも夜のように甘い雰囲気はそこにはなかった。
呆れた様子で起き上がり、着々と脱ぎ散らかした衣類を身につける。
「あんただって我慢してたくせに。あーあ、早く良い男見つからないかなー」
「無理だろ。お前みたいな我が儘な奴につき合えるのは俺ぐらいだって」
「失礼ね。すぐ死にに行くような無茶するあんたに着いて行けるのだってあたしぐらいよ」
「そうかもな。あ、俺もう行くから」
「あたしも行くわよ。・・今日はどこかのお嬢様の接待だっけ?後で困らない程度にご機嫌とりなさいよ」
「相手方次第だろ。カスミもそこら辺の奴にあんま媚び売るなよ」
「相手方次第、ね。じゃあね」
まだ日は昇らない時刻。
誰にも見つからないように二人は部屋を後にした。
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もはやサトシとカスミではない←言っちゃったよ
仕事の都合上恋人にはならない二人。だけどお互いコイツがベストだと解ってるのでやることはしっかり。ふふ
熱血サトシくんラブですがこんな2人だって全然イケますよ(むしろバッチコイ←)