「考えてみたんだけど」
「何を?」

「サトシが着てる制服ってこの学校のでしょ?てことは、あんたもここの生徒だったんじゃないの?」
「あー、たぶんそうだと思う。でも今ひとつ思い出せないんだ。気づいたらこの学校にいて、そのまま学校から出られなくなってたし」

「学校から出られないってことは、相当この学校に未練があるのね」
「わかんねー。というか、俺ってどうやって死んだのかな」

「思いつくだけで事故、自殺、殺人?・・・見るからに自殺ってタイプじゃないし、殺されたならテレビで報道されるだろうから、事故ね」
「何で言い切れるんだよ。タイプじゃないって何だ、タイプじゃないって」

「ここはやっぱり学校勤務30年の掃除のおじいちゃんに訊くしかないかしら」
「無視したな? あのじいさんなら今日もごみ拾いしてたぜ」



「おじいさん、今日もお疲れ様」
「・・おや、ありがとう。もう他の生徒さん達は帰ってるのに、君はまだ帰らないのかい?」

「少し訊きたいことがあるんです。おじいさんなら知ってるかと思って」
「ふむ。勉強ならお手上げだが」
「違うんです。あの、おじいさんは、長い間働いた中で、ここの生徒が亡くなった話とか聞いたことありませんか?」

「ここの生徒さんが?・・・いや、生徒さんは皆元気に過ごしていたよ。知る限りでは、亡くなった生徒さんはいないと思うよ」
「そうですか・・」

(じゃあ、俺はかなり前に死んでるのかな)
(30年以上前?でも学校で気がついたのはあたしが入学する少し前なんでしょ?何で今になって出てくるのよ)
(そんなのわかるわけないだろ)

「ああ、でも」
「?」
「5、6年前に交通事故に遭ってそのまま眠り続けている子がいたなぁ。今はどうなったかわからんが」
「えっ!」
(・・そうか。幽霊になってるからといって、必ずしも死んだわけじゃないんだよな)

「それって、男ですか!?女ですか!?」
「男の子だったよ。いつも元気に挨拶してくれてなぁ。事故に遭ったと聞いた時、あの子の友達は皆泣いとった」
「ッ・・ありがとうございましたっ。失礼します!」

「ああ、あんな急いで走って転ばないといいが、気をつけて帰るんだよー」



思わぬ可能性
(どうする!?サトシ、生きてるかもしれない!)
(俺が1番驚いてるよ!!)
(とりあえずその頃の先生に事情聞いてみ・・って、うわ!!)
(・・盛大に転んだな)




 
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