04


練習は順調。



部員ー1軍だけだけどーとの連携もまずまず。



この間だけ大輝とは変な別れ方したけど、そのあとはなんにもないから特に気にはしていなかった。



キュッキュッ



「っ、涼太は抜いたあと、が甘いよっ!それじゃあ、ボール盗られるかもね!」



「ええ!それ青峰っちにも言われるッス!まじスかー」



「ふー。まぁでもコピーもいい感じだし、そこ気をつけてね」



「了解ッス!名前っち、いつもありがと!」



「あーい。って髪触らないでよ」



「だーってさらさらで気持ちいーんスもん♪身長的にも撫でやすいッスしね!」



「・・・涼太より背が低いのは当たり前なんだけどなんかむかつく。テツヤー」



「あ、赤司くん。名字さんからのSOSです」



「よし、黄瀬。今から外周20周してこい」



「ええ!もう終わりじゃないッスか!」



「名字さんにセクハラしたからです」



「セクハラってほとでもないけど...涼太ふぁいとー!」



「えぇぇ。・・・もうみんなして名前っちのこと好きなんスから・・・」



「なんか言ったか?」



「なんでもないッス!行ってきます!」



征十郎から溢れ出る黒いオーラに怯えた涼太が、脱兎のごとくグラウンドへ走っていった。



こんなのも日常茶飯事。



*****


「ただいまぁーッス...」



「よし、黄瀬も帰ってきたし、1軍集合!」



真太郎と1on1をしてアドバイスをしている途中で、征十郎の集合の合図。



「真太郎、途中になっちゃったけどトレーニングをしっかりやっとけば今日はおっけーだから」



「ふん、いつもやっているのだよ」



「お、頼もしいねー。偉い偉い」



「ば、バカにするな!俺はただ人事を尽くしているだけなのだよ!」



相変わらずツンデレ全開。



だんだん可愛く思えてくるよ。



「よし、全員集まったな。今日は連絡することがある。」



「バスケ部は毎年この時期に2泊3日の合宿を行っている。2ヶ月後の全中に向けての強化合宿だ。レギュラーはもちろん強制参加だが、今年はそれに桃井と名字にも同行してもらおうと思っている」



「え、」



強化合宿?なんじゃ、そりゃ。てか私たちも参加?



「いいですね。2人がいればいい練習とアドバイスをもらえますし」



「なにより名前っちのマッサージがあるから疲れないッス!」



「ということだ。やることはいつもと変わらず、1軍のサポートをしてくれ。分かったな、2人とも」



『はぁーい』



「それじゃあ解散」



いつも通りにやってって言われても・・・合宿ってイメージ的にマネージャーがめっちゃこき使われる感じがあるんだよね。



まぁそれは私の勝手なイメージなんだけど・・・でも大輝あたりはやってきそうだな〜。



あ、そうだ!征十郎に合宿中に練習試合とかあるのか聞いておこう。



あと部屋割りとお風呂もか!



「テツヤ、征十郎ってどこにいるか知ってる?」



近くでバッシュの紐を結び直してたテツヤに征十郎の居場所を聞く。



「赤司くんですか?さっき体育館を出ていくのが見えたので部室とかじゃないでしょうか?」



「おっけー行ってみるね。ありがと」



「いいえ」



*****


「あれ、鍵が閉まってる」



1軍の部室は1つだけ。



征十郎が他の部室に行ってるのを見たことはないし、ここへ来るのに廊下は1つだから行き違いになるなんてことはないし・・・。



あれー?と悩んでいると、



「あれ、名前?どうしたのこんなところで」



スポドリがたくさん入っている籠を持っているさつきとばったり。



自主練のみんなに配るためかな。



「さつき、征十郎見なかった?探してるんだけど・・・」



「あ、赤司くんならさっき職員室に行くのを見たよ。監督と一緒だった」



「監督と・・・?なんか大事な話でもしてるのかな?」



「分からないけど・・・とりあえず行ってみたら?」



「そうだね、ありがとう。さつきもスポドリ配るの頑張ってね!」



「もう!そういうなら手伝ってよ!」



「あはは〜」



サッと流して職員室へ行く階段を登る。



大事な話だったら引き返そう。



そう思って階段を登る足を早めた。







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