おいらの声が出るようになったら一番に聞きたいって言ったのはジャズじゃないか。
そうしたら歌って踊って、ひときしり二人で騒いでやろうって約束したじゃないか。
それまでずっと、ずっと待っててくれるって、言ったくせに。
ずるい、ずるいよ。約束を破って遠い所に一人でいってしまうなんて。
もっと話したいことだって、教えてほしいことだってたくさんたくさんあったのに。
「バンブルビー」
名前を呼ばれて顔を上げるとちょうどジャズの躯が入ったコンテナが海に落とされるところだった。
隣に立つオプティマスと沈んでいくコンテナをただ見つめる。
コンテナが完全に沈んでしまう直前に、もう返ってくることのない個人チャンネルに通信を入れた。
『うそつき』
やはり返事が返ってくることは無く、コンテナは音を立てて完全に沈んでしまった。