現パロ ギン/中三*首領/中一


袖を通した真新しい制服は、成長することを見越して少し大きめで、余った袖がなんだかこそばい。柄にもなく浮かれた気分になる。小学高学年になれば伸びると思っていた身長は思ったより伸びず、男子としてはまだまだ小さい方だ。高身長に憧れるだけあって歯痒い。何より、かの男に見下ろされるのが屈辱的で我慢ならない。早く大きくなりたいと思う気持ちは日毎に募るばかりだ。

「制服似合ってますね!…かわいい!」
「…」
「お昼ご飯一緒にたべましょうね!」
「嫌だ」
「嫌です!二年も我慢したのに!」

そう言って出会い頭にくっついてきたギンは頭に頬を押し付けてきた。身長差が際立って憂鬱な気分になる。
二年学校が変われば離れていくだろうと思っていたが、寧ろ前より一緒にいる時間が増えた気がする。それは迷惑な程に。登下校はもちろん、出掛けるとなれば友人が一緒だろうとお構いなしについてきた。友人と出掛ける回数が減ったのはいうまでもなく、不愉快極まりない。友達がいなくなったらどうしてくれる。

「俺は友達食べるんだよ!だからお前も友達と食べろ!あといい加減離れろ!」
「嫌です!友達は二年一緒にいられるけど、俺は一年しか一緒じゃないんですよ?!」

「不公平です」と言いながらギンはまた頭に頬を押し付けてきた。こうなったら何を言っても無駄だと、不本意ながらも長い付き合いのせいで知っている。思わず溜め息がでる。
「幸せが逃げますよ?」って俺の幸せは、どう考えてもお前のせいで逃げてると思う。
だけど、結局は一緒にいることを許してしまうあたり自分も大概バカなんだろう。

「…一年だけだからな」
「はい!!約束ですよ!!!」

ギンは余程嬉しかったのかさっきまでの比じゃない程ぎゅうぎゅうとくっついてきた。
やっぱり止めとけば良かったかと後悔する。でも嬉しそうに笑っている顔をみていたら、本当に何で俺とそんなに一緒にいたいのか理解できないけど、気分は悪くない。
またこれから一年、新しいようで変わらない生活が始まる。認めたくないけど、どんな時もきっと隣にはギンがいるんだろう。

「またこれから一年宜しく、先輩?」
そう言ってニヤリと笑ってやったら
「もちろんです!入学おめでとうございます!」
とこれまた嬉しそうな笑顔と一緒に返事がかえってきた。
この顔がみれるなら少しぐらいなら一緒にいてやってもいいかな、と思ったのは秘密。







66.絆される




110511

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遅ればせながらの入学ネタ…自分でもギンクリに夢を見過ぎだってわかってる…けど、止められないんだこのパッションを!\(^q^)/







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