現パロ ギン/中一*首領/小5


 クリークは玄関のドアを開けて、飛び込んで来た男の緩み切った顔に気分が悪くなった。男の名前はギン。クリークの二歳上で、隣に住んでる幼馴染である。どうやら今日は今年入学する中学の制服が出来たらしく、頼んでもいないのに見せに来たらしい。
「どうです?似合ってます?」
嬉しくて仕方ないのか、声が弾んでいる。そもそもそんなことを野郎相手に聞いてどうするつもりなのか。何気に似合っているところが腹立たしい。
「…うぜぇ」
そう一言吐き捨てクリークは玄関のドアを閉めた。ドアの向こう側でギンが何か喚いていたが、いつものことなので無視をした。

 一足先に中学の制服を身に纏った姿は、ランドセルを背負っている姿に比べ大人びて見えた。しかも年の割りに背が高いので、高校生と間違われてもおかしくない。それに引き換えクリークは小柄なので、実際の年より下にみられることが多い。お陰でそんな見た目がコンプレックスだった。それを知ってか知らないでか、ギンは今日のようにクリークの神経を逆撫でしていた。

 ふと気が付けば外が静かになっていた。帰ったのかとドアを開けてみたら、ギンはまだそこに立っていた。まるで開けるのを待っていたかのように、笑顔で。のぞき穴を覗けない自分の身長の低さを恨んだ。クリークは思わず「死ねばいいのに」と呟いた。どうやらギンの耳に届いたらしく「酷い!」とショックを受けていた。その割には顔が笑っている。大体いつもヘラヘラしているので、顔の筋肉が死んでいるのかもしれない。
「折角一番最初に見せたのに」
「頼んでねぇし、見たくもねぇよ!」
今更ながらドアを開けたことを後悔した。
「えー結構似合ってると思ったんですけど」
ギンは無駄に一回転した。クリークは目の前の男を殴りたくなった。何でこんな奴がいつも自分の上にいるのか。
「───似合ってない、絶望的に!」
(これじゃまるで只の負け惜しみだ)と思ったが、今のクリークにはこう言うのが精一杯だった。悔しいことにやはりお見通しらしく、ギンは今日一番の笑顔を見せた。








2.追いかける




100402

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自分より上に立つギンにやきもきする首領を書きたかったんですが、見事撃沈。\(^q^)/ちなみに首領は高校で大成します。大器晩成!







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