藍染が上から見下ろした視線の先には、一人の男が立っていた。ただ立っているだけなのに、その男は妙に存在感があった。第6十刃(セスタ・エスパーダ)グリムジョー・ジャガージャック。藍染が目的を果たすために集めた者の一人だ。

 力はあるのだが、血の気が多いせいか勝手な行動が目に余る。藍染にとっては大した問題では無いのだが、上に立つ者として放って置く訳にもいかない。しかしこうして顔を合わせるのも、もう何回目かわからない。あまりに多すぎて、数えるのが面倒になる程だということは確実だった。

 そのせいか藍染はグリムジョーの突き刺さすような視線に、己が気持ちを見透かされるような錯覚に襲われることがあった。そんな錯覚を起こすぐらいグリムジョーと対峙する時には危うい緊迫感があった。
 そうして絡めた視線を藍染はいつしか逸らせなくなっていた。それだけなら良かったのだが、今やその視線からじりじりと内側へ熱が生まれるようにまでなった。藍染はいつの間にか作っていた拳に力が篭り、ぎりっ、と音を立てる程強く握り締めていた。この熱が何なのか分かっているのに、理解したくないと答えを拒む。

グリムジョーに抱いているこの感情を。


(これ、は

 唾棄すべき感情だ)


今ならまだ不要なものと処理できる。
そう頭で理解した藍染は「話は終りだ」と踵を返し、その場を後にした。持て余し燻った熱と、背中にグリムジョーの視線を感じながら。








101.捨てる




100317

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原作を読んでいないうえに、何故か家に23.24.35巻だけあるというw齧った知識しかないので、間違いなく妄想です…殺伐とした藍グリが好物です!







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