series | ナノ

 イクスチェンジ!? 03









最近、俺には頭を抱えてる問題がある。






「獄寺さ〜ん…」

「……………」

「いつ俺達の元に戻ってきてくれるんですか〜!!」

「お願いですから早く戻ってきて下さいぃ〜…」



例の一件でGの管轄下になって以来、度々泣きついてきやがる俺の部下達。







「隼人く〜ん!!Gがまだ怒っているんだ…先程たまたま会ったんだが、完全に無視された……もうどうすればいいんだ……」



確実にこの一件の原因である張本人様の初代様だ。



「Gさんが上司になってから、俺休み無いんですよ…」

「休み無い位まだいいじゃないか!俺なんて寝てないんだぞ!!」

「寝てない位なんだ!!俺なんて最愛のGに無視され続けているんだぞ!!」

「獄寺さん…もう、俺達限界です……」

「…………」



何なんだこの状況は…そもそも初代様の場合、完全に自業自得じゃ……。



「獄寺さぁ〜ん……」



はぁ……
しかし、普段絶対泣き言なんて言わねぇこいつらが泣き喚くなんて、一体Gの奴どんな指導してんだ?



「でもお前等、Gの下で働く様になってから、めっきりミスが減ったみてぇじゃねぇか」



だがこれも事実だ。
厳しくしてたつもりだが、やっぱまだまだ俺が甘かっただけか?……こりゃ指導を一から見直さねぇと。



「そ、それはそうですけどっ…」

「だってミスなんかしたら、俺達もう一生日の光を浴びられないかもしれないんですよ…」



………どんな恐怖政治だよ…。



「それよりも!俺達は獄寺さんに憧れて貴方の部下になったんです!!」

「そうです!早く戻ってきて下さい!!」

「むっ、君たち!Gの何がそんなに不満なんだ!!確かに多少血の気は盛んだが……相手してもらえるだけいいではないか!!」

「そ、そんな事仰られても……それに多少どころでは無いですし…」

「我が儘言うでない!!」

「………………」



実際、一番の被害者は何も知らないで振り回されてるこいつらだが……こんなやり取りをしょっちゅうされてる俺の身にもなってくれ…。



「…初代様、少し落ち着いて下さい。お話は後で聞きますから……おまえらもだ。…ごめんな、俺も戻りてぇのは山々だが、俺だけでどうにかなる事じゃねぇんだ」

「そんなっ!!」

「ほら、さっさと行かねぇとまたGにどやされんぞ」

「うっ……はい…」



あぁーあ…あんな小さくなっちまって…流石に何とかしねぇとな…。



「初代様、Gと仲直りしたいのなら、やはり謝られた方がよろしいかと。俺も十代目にお話がありますので、一緒に行きましょう?」

「……わかった」



初代様もちゃんとわかっておられるんだ。ただちょっとタイミングが悪かっただけで。

それに初代様とGが仲直りすれば全てまるく収まるはずだ。

……俺もここ一週間避けていた事を十代目に謝って、またお傍にいさせて頂こう…。











「よろしいですか、初代様」

「う…うむ」



そんなに緊張なさって……余程Gに無視され続けたのが堪えたんだろう。

初代様の顔がここ一週間の十代目のお顔と重なる。

……早く十代目に謝って、許して頂いて…それから……



「十代目、失礼致しま…」

「おいしーーっ!!」

「っ!?」



な、なんだ…?



「Gさん!!これすごくおいしいですね!」

「だろ?完全に俺オリジナルのケーキだぜ」



……………………

扉を開けるとそこには、ケーキを目の前にして女子の様にきゃっきゃっとする十代目の姿。



「…………十代目…何をされてるんですか?」

「えっ!?隼人っ!!!」

「おう、隼人じゃねぇか………ちっ、ジョットもいんのかよ」

「舌打ち!?」



Gの態度に先程の覚悟が折れたらしい初代様は、お可哀想な程に落ち込んでいらっしゃる…………が、申し訳ないが今の俺にはそれに構っていられる程余裕がない。



「……一週間、十代目にお会いしていなかったので様子を伺いに来たのですが……随分楽しそうにしていらっしゃいますね」

「えっ……えっと、これは違くてね…?」

「別にいいんですよ?俺が勝手に心配していただけなので。」

「あ、あの……」

「それにしましても、俺は部下や初代様、十代目の事で余裕なんて無かったのですが、それに対し十代目はケーキを堪能される程余裕がおありとは。さすが十代目、素晴らしいです」

「……………」

「おぉ、隼人も言うなぁ」



別にどうって事はない。
俺は俺だし、十代目は十代目だ。
俺なんかが十代目のお気持ちを図れる筈がねぇ。

なのに同じ気持ちかもしれないなんて、俺も恐れ多い事考える様になったな……



「……失礼致しました。初代様、行きましょう」

「えっ、う、うむ…」

「あっ…!隼人!!」



俺は何よりも十代目が大切だ。
どんな事があっても十代目には笑っていてほしい。

だから十代目が楽しそうにしていらっしゃるのは喜ばしい事この上ない。



けど



「おっ!よう、獄寺!!今からツナんとこに行くんだけど一緒に…」

「一人で行ってこい!!!!!」



申し訳ないが、部下にはもう少しGの下で辛抱してもらう事にする。



















「よっ!ツナ!!元気か!?」

「あ……山本…」

「さっき般若がいたぜ!!」

「あぁ、うん…般若……ね…」

「…?Gさん、ツナどうしたんすか?」

「あぁ、デーチモが隼人に一週間避けられて仕事が手につかねぇ程傷心しきってやがったから」

「うん、うん」

「ケーキでも作って慰めてやろうと思ったら、ケーキ目の前にきゃっきゃしてる姿を隼人に見られて…まぁ後は想像通りだな」

「あちゃー、ツナタイミング悪いのな〜」










end 

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