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 並盛幼稚園ボンゴレ組! 02







ここは古くからある由緒正しい並盛幼稚園。



只今並盛幼稚園はお昼休みタイムです。
園児達がブランコや滑り台、砂場などで元気よく遊んでいます。



そんな中、誰とも遊ばず一人でウロウロしている園児がいます。


ボンゴレ組の沢田綱吉君です。



「あれぇ…ごくでらくん、どこ行っちゃったんだろ…」



どうやら仲良しの獄寺隼人君を探してる様です。



「おひるやすみ一緒にあそぼぉって言ったのに…」



綱吉君は悲しそうな顔をしながら、それでも隼人君を探そうとキョロキョロしています。



「あっ!ねぇねぇやまもと、ごくでらくん、しらない?」



広場を探していると、お友達数人とボール遊びをしている山本武君を見つけました。

綱吉君は武君のもとに駆け寄り隼人君の事を聞きました。



「ん?みてないのな!ツナ、一人ならみんなでやきゅうしようぜ!」

「……んーん。もうすこしさがしてみる…。ありがと!」

「そっか!わかったのな!!」



武君は綱吉君を野球に誘ってくれましたが、綱吉君は隼人君を探す事を諦めません。


武君にお礼を言って、今度は遊具がある方に探しに行きます。



「ごくでらくん、どこいっちゃったんだよぉ…」

「ツナくん?どぉしたの?」

「ツナさん、げんきないです〜」



そこにはブランコに乗った京子ちゃんとハルちゃんが居ました。

京子ちゃんとハルちゃんは元気の無い綱吉君に気付いて声をかけてきてくれました。



「きょうこちゃんにハル!…うん、ごくでらくんがいないの」

「ごくでらくん?ハルちゃんしってる?」

「みてないですねぇ」

「そっか…ありがとね」

「ううん!みつかるといいね!」

「うん、それじゃあね!」



京子ちゃんとハルちゃんも隼人君の行方は知らない様です。

綱吉君は更に落ち込みながら、二人にお礼を言ってあても無く探し回ります。


すると、



「ねぇキミ。そこからそっちはボクのりょういきだよ」

「ひっひばりさんっ!?」



急に後ろから雲雀恭弥君が話しかけてきました。



「りょ、りょう…??」

「りょういきだよ、早くどこか行かないとかみコロスよ」



恭弥君は綱吉君を睨みつけながらトンファーを構えました。



「え、えっと、あの…ご、ごめんなさいー!!!」



綱吉君は恭弥君の言葉の意味がよくわかりませんでしたが、"かみコロス"の言葉の意味はわかります。


綱吉君は慌てて恭弥君に謝ると精一杯の全速力で逃げました。


あまりにも逃げる事にしか頭に無かった綱吉君は、前に人が居るのにも気付かず思い切りぶつかってしまいました。



「ぅわっ!!」

「いって!誰だっ!?…って綱吉じゃねぇか。どうしたんだ、そんなに慌てて」

「じ、G先生!!!!」



ぶつかったのはボンゴレ組のG先生でした。



「ご、ごめんなさい…そうだ!!G先生!!ごくでらくんしってる!?つなとあそぶやくそくしてたのに、いないの!!」



G先生は口は悪いけど、人一倍園児達を気にかけている先生です。そんなG先生だからこそ、隼人君の居場所を知っているかもしれない、そう超直感的に思った綱吉君は急いでG先生に聞きます。



「隼人か??隼人ならさっき裏庭の花壇の所に居たぜ?」



やっぱり!!といった感じで綱吉君の表情はパッと明るくなりました。

しかし、



「ジョットと一緒に」

「えっ…?」



その言葉を聞いた綱吉君は先程とは逆に、一瞬で暗い顔になりました。


実を云うと綱吉君はジョット先生があまり得意ではありません。

何故なら、



「ごくでらくんがジョット先生にとられちゃう!!!」



そう叫んだ綱吉君は一目散に花壇のある裏庭の方へと走っていきました。



「えっちょ、綱吉!!」



綱吉君の様子に慌てたG先生も急いで綱吉君の後を追います。



綱吉君がジョット先生を苦手な理由。

それはジョット先生が大事な隼人君を奪ってしまうと思っているからです。



「ごくでらくんっっ!!!」

「っっ!?じゅうだいめ?」

「?綱吉ではないか」



程なくして花壇に着いた綱吉君は、二人仲良さそうに花を摘んでいるのを見て更に走り出し隼人君に抱きつきました。



「っ!?じゅ、じゅうだいめ!?」

「ごくでらくんとっちゃイヤー!!!」



そうジョット先生に言いながら綱吉君はわんわん泣いてしまいました。



「あーぁ、ジョット泣かした〜」

「お、俺かっ!?」



綱吉君が泣いてしまった事で責められたジョット先生も慌てましたが、一番慌てたのは綱吉君に抱きつかれてる隼人君です。



「じゅうだいめっ!!!どうしたんですか!?」

「ごくでらくんもひどいよぉ、ヒック、つなとあそぶっていってたのに!」

「っっっ!!??」



隼人君は泣いている理由が自分だとわかると更に慌てました。



「つなのこときらいになっちゃったの?」

「そ、そんなことありません!!じゃうだいめのことだいすきです!!」

「…じゃあなんでジョット先生とあそんでたの?」

「す、すみません…じゅうだいめにこれをあげたくて…」



そう言うと隼人君は先程摘んでいた花を綱吉君に差し出します。



「これ…」

「じゅうだいめが前にキレイだっていってたので、初代さまにたのんでいただいてたんです」

「ごくでらくん…」



隼人君が差し出した花を受け取ると、綱吉君はピタッと泣くのをやめてすぐに笑顔になりました。



「ごくでらくん!ありがとっ!!」

「はいっっ!!!」



先程まで泣いていたのが嘘の様に綱吉君はすっかりご機嫌でにこにこにこにこ。



「でもまたひとりにしちゃイヤだよ?つなにいってね?」

「はい!すみませんでした…」

「うぅん!お花うれしかったからいいよ!ごくでらくんだいすきっ!!」

「っ!!おれもじゅうだいめだいすきですっ!!!!」



こうしてやっと隼人君を見つけた綱吉君は、もう離すまいとぎゅっと隼人君の手を繋いだのでした。























「青春だな〜。なぁ?G」

「そうだな…つかジョットわざとだろ」

「ん?何がだ?」

「隼人にばっかりちょっかいかけるの」

「…だって隼人君は単純に可愛いし、綱吉も独占欲まるだしな感じが可愛くてだな」

「だってじゃねぇ。そんなんだから綱吉に嫌われんだよ」

「何っ!?嫌われてる!?」

「気付いてねぇのかよ」

「そ、それはどういう事だっG!!」

「どういう事も何もそういう事だよ。ご愁傷さん」

「え、ちょ…」






















「G先生っ!!」

「ぁん?なんだ?武」

「裏庭でジョット先生がかたまってうごかなかったんだけど、どうかしたんかな?」

「あぁ、ほっとけほっとけ。自業自得だ」

「じごう?よくわかんねぇけど、わかったのな!!」









end 

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