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「よし、これでもらったプレゼントは全部だね!」 「ですね。にしても、何考えてんだコイツら!メイド服だとかコ……サカミオリジナルだとかっ!!!」 「こら!折角みんな獄寺君の事を想って贈ってくれたんだから、そんな事言ったら失礼だろ」 「うっ……す、すいません…」 それに、獄寺君にとってはちょっとアレだったかもしれないけど、オレにとってはどんなプレゼントでも獄寺君が愛されてるって証みたいで嬉しかった。 ……まぁ、色んな意味で嬉しいプレゼントもあったけど。 「ね、こんなに遠く離れてるのにこうやって獄寺君の誕生日を祝ってくれるなんてすごいと思わない?昨日は山本やお兄さんたちみんなも祝ってくれたし、結果はどうあれジョットさんやGさんだって来てくれた!獄寺君はいろんな人に愛されてるんだよ!オレはそれがすごく嬉しい」 「じゅうだいめ……」 ずっと独りだと孤独を抱えてきた君は、やっぱり独りじゃなかったとたくさんの人に愛されてるんだと、君にも伝わったと思うんだ。 でも…… 「ね、獄寺君」 「はいっ!十代目っ!」 「オレだって獄寺君の事いっぱい好きだよ」 「っっっ!!!??」 例えどれだけの人が獄寺君に愛を伝えても、 「今までだってこれからだってずっと」 例えどれだけそれが獄寺君に伝わっても、 「獄寺君を好きな気持ちは誰にも負けない」 君がオレ以外を映さない様に、 「だから獄寺君、今からは俺がいっぱい愛してあげる」 「ーーっ……誰よりも、どんなものよりも嬉しいプレゼントっス」 「もらってくれる?」 「勿論です」 「ごくでらく…ー」 「ずるぞデーチモ!俺も隼人君を祝い足りないっ!」 「つかおまえら真っ昼間からナニしようとしてんだよ」 ………ですよねっ!!!! あなたたちがあれで大人しく帰る訳ないですよねっ!!! 「さぁ獄寺君お祝いの熱い包容を交わそ…ー」 「テメェは少し黙っとけ。ほら隼人頭撫でてやんよ」 「G!勝手に入ってくんな!つか撫でんなって言ってんだろっ!」 「はぁ…」 漸く今から獄寺君の誕生日を独占出来ると思ったのに。 ………でも、何だかんだ言って獄寺君が楽しそうだからいっか。 「そうだっ!記念すべき隼人君の誕生日という事で写真を撮ろう!」 「あ、いいですねっ!…つかジョットさんたち写んのっ!?」 「まぁそこはボンゴレクオリティで。なぁ?G」 「なんとかなんじゃね?」 「それでいいのっ!?」 「よし!Gカメラの準備だ!」 「俺かよ」 あぁーあ、ジョットさんたちあんなに張り切っちゃって…折角の獄寺君誕生日記念写真が心霊写真みたいにならないだろうな…… 「十代目、」 「うん?」 「俺、物心ついた時から自分が生まれた日を祝った事なんて一度もないんスよ。ましてや嬉しいなんて感情も」 「………」 ……そう語る顔がとてもつらそうで、獄寺君の今までを思うと胸がしめつけられる。 「でも今は、野球バカたちやジョット様たち、プレゼントをくれた奴らが祝ってくれる事が素直に嬉しいんです。」 「うん…」 でももうそんな必要ない。 「きっと十代目に会えなかったら一生感じる事のなかった気持ちです。だから俺、今初めて生まれてきてよかったって本当に思ってるんです。そのおかげでこうして十代目に会えた」 「うん」 長い永い孤独が終わって、今日から君の誕生日は暖かさで溢れる日になる。 「きっと俺は、これからずっと自分の誕生日を祝えると思うんです」 「うんっ!」 これからもずっとそうである様に、 「だから十代目、どうかこれからも俺の誕生日を一緒に祝ってほしいんです」 「もちろんだよ!」 そしてどうかその日をずっと二人で迎えられる様に、 「獄寺君、お誕生日おめでとう!生まれてきてくれて、オレと出会ってくれて、本当にありがとう!」 「はいっ!」 感謝と願いと決意を込めて、獄寺君の手を強く握りしめた。 「デーチモ、隼人君!準備出来たぞ!」 「あと10秒だ早くこい」 「獄寺君行こう!」 「は、はいっ!」 「準備はよいか?」 「はいっチーズ!」 「これでよしっ!」 「十代目なにしてるんスか?」 「はいこれ!さっき撮った写真!」 「 ! ありがとうございますっ!自分の写真なんて撮りたいとも残しておきたいとも思わなかったっスけど、こうして今をカタチに出来るって、いいっスね」 「うん!また来年も、こうして写真を撮って、いっぱいいっぱい思い出を残そうね!」 「はいっ!」 |
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