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歩く公害


三日三晩寝ないで本のページをめくりやっとこの情報を知り得た、それにホークラクスについての資料は次々に集まって来ているからもうすぐホークラクスはできる。あとはいつ、誰にするかってだけ。やっと目標に近づいて喜ぶと同時にふとなまえの顔がよぎる。僕がいなくなった後は彼女はどうやって生きていくのだろうか。とりあえずホークラクスが完成させるのが先だと自分に言い聞かせる。三日間授業以外で外にも出ないで食事もなにも摂らないのはさすがにキツい、食堂に行こうか。

「リドル!久しぶり、元気!?」
「元気そうに見えるかい?」
「うーん見えないね」
「なまえの節穴の目もそれくらいわかるのか」
「めちゃくちゃ私に失礼だよ?」
「とりあえず食事を摂らせてくれ…」
「あ、うん」

久しぶりにリドルに会えて嬉しいけど体調が明らかに悪そうで心配になるしかない。ここまで体調が悪いと無駄口を叩く気さえ失せてしまうから早く元気になってね。それでもさ、久しぶりの再会なのになんで節穴とか言ってまだディスるの?いや、とりあえず中身は変わってないってことで安心なんだけどさ。

「ああっ、私のガーリックトースト…」
「まあ今日くらいはリドルに分けてあげなって」
「うう…私のガアアアアリックが…」
「泣かないでなまえ」
「今日はどんなに苦しいことがあっても夜のガーリックトーストを楽しみに頑張ったのに…」
「アレは元々はリドルの分だし、今日テストも何もないから苦しいこともなかったでしょう?授業中もよだれ垂らして寝てたし」
「っちょ、フランそれはないよ…」
「ねえなまえ」
「なに?リドル」
「…黙っててくれないかな?君が食堂に来た瞬間からその口は休まずベラベラと中身のないくだらないことばかり話してしかもアホ丸出しで恥ずかしくないのねえ犬でも黙る時は黙れるんだよ君は犬以下なのなんなのうるさいんだけどいい加減静かにしてそれともなにその空っぽの頭をみんなの前で自慢してるのだったら寒いからやめたほうがいいよ今の状態は歩く公害だよ本当に迷惑なんだよ」
「そ、っか」
「…」
「…」
「ごめん言いすぎた」
「…言いたいことわかったし、しかもあれだけ早口でノンブレスで喋れてるし結構いつも通りでなんか心配したの取り越し苦労だったかなって思うんだよね。うん」
「別に心配されなくても大丈夫」
「まあでもリドルならどうにかできるとは思ってたしそこまで心配はしてなかったよ。フラン、帰ろ」
「あれ、もういいの?」
「うん、リドルに会えたしもういいや」
「そっか」

気が付いた時には遅かった。疲れてる為か言いすぎてしまった。なんだかんだでなまえは三日間心配してくれてたのに。あのなまえがあそこまで沈んでしまうのは想定していなかった。でも、僕は闇の帝王になるんだ、なまえの動向に一々構っている暇はない。そうやって自分に言い聞かせるが心のどこかに引っかかる何か。


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