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ガーリックトースト


「おいしい!ガーリックトースト愛してる!」
「もう少し落ち着いて食べたら?カス落としてる」
「リドル、無言で人参差し出すのやめてあんまり好きじゃない」
「だから食べなって、人参。それともまだなまえは人参すら食べられないお子ちゃまだったかな?」
「う…」

いや、別に人参食べられないわけじゃないんだよ?でもさ好きじゃないものはなるべく食べたくないじゃん?だったらその分ガーリックトーストで胃袋埋めたいよ。リドルそろそろやめない?さっきからフォークに串刺しにされた人参が頬を突っついてるんだけど。さりげなく痛いし、あっ、足踏まないで!

「そうやって悪口言う暇があれば勉強するか早く人参食べたら?」
「はい…」
「どうしたの今日無駄に素直だね」
「無駄にってなによ、いつもいつも素直な大天使なまえですよ?」
「いつも以上に気持ち悪いからやめてくれない?」
「え、いつも気持ち悪いってこと…?」
「僕からしたら文脈的にそうなんだけどなまえの偉大なる空っぽの頭によるとどうなんだい?」
「今日リドルは全体的に辛辣だよね、いつもだけど」
「辛辣なんじゃなくて正直っていうんだよ、なまえ」
「ごちそうさま」
「…ごちそうさま」
「リドルよく言えました!みんな聞いた?リドルがごちそうさまだって!」
「煩い」
「だって嬉しいじゃん、リドルがごちそうさまだってふふ」
「その口そろそろ閉じたら?間抜けだよ」
「照れてる照れてる」
「もういい、好きに言ってろ。来年のいもりは助けないからな」
「え、それは無理。リドル様様助けてください…」
「はぁ…毎年試験に僕の無形文化遺産である時間をさいてやってるんだからもっと感謝したら?」
「本当ありがとうございます…敬い崇めます…」
「まあ猿に崇拝されても嫌だからいいよ」
「許したように聞こえて結構ひどいよ?」

何年経っても子供っぽい彼女を見ていて変わらないなという懐かしさを感じると同時にイラつきも覚え始めてる。未だに寝る授業、食べられない人参、僕がいないとできない宿題。まだまだあるけど僕らは仮にも6年生だ。こんなんじゃ生きていけるわけがないなまえはもっと警戒と成長を覚えるべきだと思う。マグルの某モンスターゲームみたいにわざマシンみたいなのでもあればいいのにとさえ思えてくる。僕は卒業次第僕の道を進む、そしたらこんな風になまえの面倒をいつまでも見ていられないから。全くなまえの精神年齢は何歳で止まっているんだ。

「もっとガーリックトースト食べたかったなー」
「もう十分食べただろ」
「えーまだ5分目くらいだと思うけど」
「なまえ、テーブル全員分食べたんだよ?」
「うん」
「全く…なまえの胃袋はブラックホールだよ」
「褒めてる…?」
「どっちでもない」
「そっか、おやすみ」
「ああ、おやすみ。でもすぐ寝るなよ、明日の試験の復習しなかったら磔の呪文かけるから」
「わかった…頑張りはするけど、睡魔は最強なの忘れないで…」

いつもどんなに頼っても想像以上のバックアップフォローをしてくれるリドルがいるからどうしても頼りたくなってしまう。他の子にはしないことをしてくれるのが本当に嬉しい。たぶん私はリドルが好きなんだと思う。だから少しでも私を見て欲しくて。


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