欲しいもの
私達はホグワーツで出会い、付き合って卒業した。
トムは闇の帝王になる夢は諦めたけどホグワーツで教師をしている。
私達の休みがなかなか合わず会えない日が続いて寂しさと不安で眠れない日も多かった。
でも今日はトムと二人でピクニック。やっと会える。
最初はトムだって外に出たくないと嫌がってたけどいい空気を吸おうって引っ張り出したの。
二人で芝生にシートをひいて寝っ転がる。太陽の光が暖かく隣に愛おしい人もいる。なんて幸せなのか。私はもういい歳の大人だからわがままは言いたくない、何より彼の負担になりたくない。でも今日は久しぶりに会えたから一つだけ一つだけ大きいわがままを言わせて。
「ねえトム」
「何」
「欲しいものがあるんだけど」
「なまえの誕生日はまだ先じゃないか」
「誕生日じゃなくていいの、とりあえず今すぐにでも欲しい」
「珍しいね、そんなに欲しいものがあるなんて」
「まあ物欲がないわたしの割にはそうかも」
「何が欲しいんだい?」
「うーんとね、すっごく珍しくてすっごく貴重でトムしか持ってないものどうね、ずっと無くならないすごいもの!」
「なにそれ」
「えー当ててみてよ」
「僕の聡明な頭?」
「ナルシストめ、トムのそういうところも好きだよ」
「前半貶してるけど急にどうしたの。でもさ話変わるけど、なまえにならトムって呼ばれても全然嫌じゃない。むしろ気分がいいよ」
「トムは私が大好きってことでしょ?」
「今のはなまえだってナルシストじゃないか…うんそういうことだけどちょっと違うかも」
「トムは私のこと好きじゃないの?嫌い?」
「…」
「…」
沈黙が流れる。この先は聞きたくない。
きっと忙しいから私と別れるとかそういう話なんだろうと思った瞬間トムが口を開いた。
「どうせなまえのことだから別れるとか考えてるんでしょ?」
「なんでわかったの、まって、アンチ開心術」
「単純ななまえが悪い」
「ひどい」
「違うよ、僕はなまえが嫌いなんじゃない。むしろ会えなくて不安だったよ。もしかしたら悪い虫がついて僕の元に帰ってこないかもってね。でもこうやって会えて安心した。全然変わってない。もうこの気持ちは恋じゃないって気がついた。…愛してるよなまえ。」
「私も愛してるよトム!」
頬をほころばせて抱きつくとトムの細いけど強い腕に閉じ込められた。ああ彼ももう学生じゃなくて立派な大人の男性だと感じさせられた。そして耳元で囁かれた。
「でもなまえが欲しいものがわかったかもしれない」
「なんだと思う」
「僕なら与えられるよ」
「うん」
「これでしょ」
「…?」
「なまえ、僕と結婚しよう」
「Perfect !!!」

そう、
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