:日宵とゆら


 夕方の待ち合わせは人が多くて難易度が高い、けど、俺の友達は割りと美しく態度でかく物理的に目立つので苦労しない。おまたせ、と駆け寄れば黒より深い目が俺を捉えた。
「なにそれ、髪飾り。高そう」
「あ、これ? さっきオーナーに貰った」
 挨拶もなし開口一番。ゆらは口と思考が直結してる。俺の髪には確かに華奢な作りのぴかぴかした星飾りがついていた。
「かわいいから、だって」
 カワイイとかいう言葉はとてっつもなく最高に甘くてきれいで最強に人間の人生を支配する、でしょ? カワイイは強い、カワイイはすごい、かわいい、は、誰かにアクセサリーをプレゼントする理由になる。強い。暴力だ。
「日宵はかわいくないけどね」
「おや? ゆらよりはちゃんとカワイイ作ってますよ?」
 天然でうつくしいには到底なり得ないけど、それはしょーがない、俺の遺伝子は半分ヨーコでもう半分は馬の骨だ。優香さんの遺伝子はゆらのことを完璧美しい方向に促してるのでそこは羨ましいとしても。別にかわいくなりたいわけじゃなくって好きな自分がたまたまかわいい自分だったってだけ。
「あんたは歌ってるときが一番かわいいかな」
「割りと顔がマジすぎて不細工の加速がやばいと噂だけど?」
「あたしにとっての、かわいいだよ」
「ゆら、趣味悪いもんな」
 そういうところはクソかわいくない、と、笑うこの人のまーいちばんかわいいのは酔っ払った末にグロッキーな瞬間だよなーと思ってる俺も俺なので、そーゆーことで。







アクセス制限機能充実
夢小説のDLove
- ナノ -