:疎通
:野廃/渚と祥太

 かちかちかち、と、携帯を動かす。次々と送られてくる文字の可愛く無さに、ほとほと呆れた。だめだな、これは続かない。予感はしてたけど確信した。
「あーあ、削除削除」
「渚くんサイテー」
「僕を最高だと思って見てる人間がいたら片っ端からぶっ殺してるよ」
「なんでこいつ他人と付きえるんだろう。不思議だ」
 祥太は、ほんとこっわー、とだけ呟いてさっさと漫画に向き直った。彼のその意外なまでの淡白加減が、僕は大好きだ。子供っぽくて真っ直ぐしていてばか正直タイプ、だと思っていたけれど、どうやらそれっきりの下らない偽善者ではなかったらしい。そうでなけりゃあ、僕はこいつと友達なんてしちゃあいないだろうけど。
「祥太はなんで僕の友達なんだろう、不思議だ」
「ひどいな、それ。俺の必死と決死のフォローありきに決まってるだろ」
「違う違う、そうじゃなくて、なんでお前は僕が好きかなと思って」
 一瞬の、間。僕は気にも止めず適当な返信を打ち込んでいたが、祥太は瞬間的に時間を止めていたみたいだ。それから、げらげらと品無く笑いだす。

「あは、あはは、お前のそーゆーとこが、好きだな!」







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