:盲目
:渚

(それによく似た恋煩い、前章)

 ずわぁん、と、目の裏側が殴られた衝撃で鳴った。気がした。気を抜いた途端にこれだから、僕の身体というのは都合が良いと言うか、なんと言うか。
 バイバイ智瀬。お別れの、2秒後である。恐ろしい都合の良さ、ご都合主義? ずきん、ずきん。さっきからずうっとこいつは訴えていた。だけれど僕は聞こえない振りをすることが出来た。智瀬が。智瀬が居たからだ。

 始終眉間にシワが寄っているのは不機嫌なんじゃなく不快な痛みを堪えているのであっていやソレって結局不快なんだし不機嫌なんじゃないのかすげえどうでもいい頭痛い。
 そう。頭が痛い。頭の頭痛が痛い。洒落じゃねえぞこれ。風邪だろうか。おいおい明日提出の課題はどうするよ。祥太呼ぶか。んなメーワクな。

(まぁ、うつしてなきゃ、なんでもいーや)

 彼女に気付かれていなければ、うつしていなければ、迷惑をかけていなければ、それでいい。取り敢えずは愛しのパシ……否々、それは言うまい、愛し我が兄弟にヘルプ・コール。お兄ちゃん多分お粥食べたい系男子なんだけど、ちょっと応答願います。







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