:酸素
:多々良と砂川


 例えば、なにもかもが無駄だと思えてしまったらその日は一日アウト。もう朝から晩まで俺はこんなこと(つまりジュケンベンキョウ)をするために生きてるはずじゃねえんだと考えながらしかし机に向かわないのもなんか劣等感だからと取り敢えず教科書眺めてセンターの演習とかやってみちゃうわけ。はいはい此処に来て最低点を着実に更新中、ってそらそーだわな、こんなモチベーション糞のアタマもすっからかんがぼんやりやってちゃ4択の神も振り向かねえよ。

「砂川のがり勉ー」
「そりゃ今更努力カッコワルイとか頭悪いこと言ってる場合じゃないでしょ」

 冬休みだというのに毎日学校の図書室でかつかつかつかつとシャーペンを走らせている。イライラをそのまま形にしたかのような音。砂川、腱鞘炎とか、平気なのか。
「でも、さぁ」
「多々良煩い口答えするな口を利く暇があるなら呼吸する間も惜しんでやりなさいよ」
「死ぬよ!?」
 ああならしね! 不機嫌マックスな幼なじみはそれでも手を止めて俺の前に課題を広げ直してくれるのである。ああ、ほんともう、やるしかねぇよなあ。

(あたしたちみたいなギリ子供喚ける餓鬼はまだ、いつの日か無駄になるような高度なこと一個も出来ないんだから、安心しなよ)







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