:中華街
:祇園といこと

「ええと……そうですわ、まだ春巻を食べていない気がしませんこと?」
「まさかまだ食う気なのかよ、祇園」
「あら、いけませんかしら天藾さん?」
「い、や……おま、えが良いなら良いんだ本当、存分にその90円肉まんを召し上がってくれ、俺は知らん」
「大丈夫ですことよ、ちゃあんとデザートは別腹ですから胡麻団子も杏仁豆腐もマンゴープリンもタピオカミルクも入りますもの!」
「悪い、その発想はなかった」

(パワフル少女め底知らず!)




:山下公園
:葛となこと

「葛ー、おいてくよー?」
「あーっ、待て待て待てもうちょいで良いの撮れそうだから!」
「なんかあれだよね、葛が真剣に写真撮ってんのって変な感じ」
「うっせえ、今の俺はマジなんだって」
「何でそんなマジなわけ?」
「海好きなんだよ、ほら、えーと、友達、が」
「ぷっ、葛焦りすぎ面白い面白い。葛が真剣って、やっぱ変な感じだよねー」
「おっまえさっきから失礼だろ! つーかブレたし!」

(君の世界を少しでも僕にしたくて、少しでも色にしたくて)




:赤レンガ倉庫
:里々と鵺

「綺麗」
「ああ、このネックレス? さっきから見ていると思っていたんだ、それに鵺が好きそうなデザインをしているし。特にこのラピスラズリは鵺の好きな石だからきっと目に留めると思っていたよ」
「高価」
「妥当な値段だとは思うけれど、鵺の財布事情を考慮すれば高価かもしれないな。此処は天下の観光地、物の値段に文句を言いたい気持ちは良く分かる」
「会長、」
「さてここで問題。此方に鵺と俺がコツコツと貯めてもうじき念願のDSiが手に入る寸前のお金が入った素晴らしい財布が存在する。たまにはちゃんとものを言ったほうが良い」
「……、頂戴」
「はい良く出来ましたー。鵺、お前いつもそう言う態度だとすごい可愛いよ」

(思わずきゅんとしたのでこいつは自腹プレゼントに変更したいとおもいます)




:象の鼻公園
:なことと野棚

「此処、新しいんだねー」
「そうらしいな、確かに昔の地図には載っていなかった」
「てゆーか僕、象の鼻ってもうちょっとシュールなの思い浮かべてたから拍子抜けー。どのへんが象? 鼻?」
「あのカーブが鼻に見立てられているんだ、まさか本当に象の鼻のオブジェでもあったら其れは面白いとは思うが」
「つまんなーい」
「まあ平凡ではあるが、私はこういう閑かなのも嫌いではないな」
「あ、それ言ったら僕だって其処のベンチとかで一日中ぼーっとしてたり出来るよ。野棚さんが隣に居たらね!」
「嘘つけ、お前のことだからふらふらと赤レンガ倉庫にでも行きたがるに違い無い、もう少し行けば観覧車もあることだしな」
「観覧車!? あ、本当だ見える! ちょ、野棚さん乗りにいこうよ!」
「ほら、馬鹿」

(やっぱ特別な日には特別を作ってもいいんじゃない?)
(でも君と居たらそれだけで良いのも本当!)






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