野棚慈草は、俺にとってそこそこに昔からの知り合いだけれど、それは彼女からしたらとても曖昧な線引きだったに違いなくて、つまり彼女の記憶には薄ぼんやりとしたもしくは形にもなり得ない程度の一雨里々しか存在出来て居ないわけだ。彼女は其れをどうしようもないことだと割り切ってしまっていたし、俺も其れを許容してしまうような人間でしか無かった。其れは野棚を認めたかったと言う言い訳と、俺が努力しないことに対する言い訳の半々で出来た許容だったからきっと駄目だったのだろうと思う。だから、それ以上近づくことは出来なかった。自分の身勝手加減と一方的過ぎた思いにはうんざりせざるを得ないところが沢山有り過ぎて、考えるのも止めてしまいたくなる。


 という前提を踏まえた、これが彼女と僕の中学生活、

「お前は」
「うん」
「生理ナプキンみたいだな」
「……、は?」

 訳注、俺は人間です。大概、基本的心理として、人間に対しての比喩に生理ナプキンは如何なものかと思う。大体あまり男子相手に生理生理言ってほしくねーし、っていう思春期的な夢を男子なりに見てるんですが、あの。
「恐らく誉められていないであろうことは確実だと思うのだけど、と言うか間違いなく貶されているのだろうと察するところだけれど、しかし一体全体どういった意味と理由で」
 どういった貶し言葉ですか。愛情にしては痛すぎて俺には着いて行けないのだが。あと俺の人権問題についてキミ、もう一度考え直して下すっても宜しいとは思いませんか。小一時間とは言わないもう三分とも言わないさ、其れはもう三十秒でことたりる常識の範囲内での思考で落ち着けるのだと思いませんか。
「そうだな、くるくるぽいっとされそうな辺りが」
 手軽に捨ておけそうだし、なんと言うか。って、それ別に例えば湿布とか絆創膏とか使い捨てマスクとかティッシュペーパーとかそんなものでは何か問題があったのですか。あったのですか。何故生理ナプキン。何故その少々えぐいところを持ってきたのですか、お姉さん。

「いや、今の私が生理だからだが」
「……あー、分かった。つまり生理で腹が痛く苛々して仕方がないから5、6時間目は保健室に行くふりをして図書室に籠もるから言い訳よろしく、と、言いたいわけか、キミは」

 流石、と言われた。いやそれ位はと思ったがしかしまあ確かに自分もよくやるものだと思わないでも、無いか、と。

(結局俺の知れたのは其処までさ、)(彼女が図書室で泣いていたのかどうかも、知らない)







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