:レグルスとなこと


 いつもその人は冷えた味がした。固めたシロップのように甘くて揺れがなくて、でも冷えていた。あんたの思想はクソで、薄っぺらで、自己中心的な自己犠牲の上に成り立っていて。
「俺、勇者とか主人公とか、きらーい」
「藪から棒過ぎて全然ついていけないんですけど」
「あの、何。正しい感じが超無理」
「反抗期かよ」
「一人で生きていけそうなとことか、無理すぎ」
 勇者に、なれるならそれでもいいのかもしれないけど。たった一人世界を救うなんてあたまおかしいし、一人で世界を背負うなんてもうきっととっくに壊れちゃってるんだ。
 でも。あんたは違うんでしょ。勇者になんてならなくていいよ、ねえ。あんたはそんなものになりたがるほど馬鹿で。
「独りぼっちで死ぬなんて、許さないから」
 俺の口から出るにしては甘くて優しそうで、アークみたいな一言がこぼれていく。ありがとう、なんて笑ってみせるはりぼての勇者には、永久に幸せになっちゃう天罰とか、下ってほしい。







アクセス制限機能充実
夢小説のDLove
- ナノ -