:黒梨となこと


「眩しい」
「えー?」

 眩しい、消せ。洗面台に付いてる蛍光灯を点けたら、黒梨くんが不機嫌そうに言った。眩しい、だって。んなこと言って、上の電球だけじゃ暗いじゃん。

「色素の薄い人って、眩しいらしいね」
「なんだよ、それ」
「なんか、きいたことあるだけだけどさー」

 ぱちん、洗面台の蛍光灯が消える。不機嫌そうな彼の表情も。俺の髪は脱色だよ、と、彼は自らの瞳の色は考えなかったのか、言った。洗濯機に、ばさばさと洗濯物を放り込みながら。
 黒梨くんの瞳は、少しだけ灰色がかっているような、気がする。そのおかげか、銀色と灰色を足して適当に割ったみたいな髪色が、しっくりくるんだ。

「お前は」
「いや、僕は別に」
「色、薄いじゃねえか」
「個人差?」
「アークテュルスとか」
「あー、光、弱そう」
「ぷ、確かに」







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