(つつあい)
「春は、秋に会えませんね」
「ええまあ、それはそうでしょう」
もしも、もしも僕が秋であったら、愛は春だと思うんです。そして僕は、それでも君に焦がれたろうと思うんです。
「貴方に秋は似合いませんよ」
「……愛にも、春は似合いませんからね」
なんて。嘘っぱち、です。あの不安定なぬるさ、君に似ていて悲しくなるよ。僕の考えなんか聞こえていないはずの彼女は、ばかですね、と呟いた。
(──ならば、貴方も秋に似ている)
(例えばあの酷く投げ遣りな寒さが、似ている)
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