(なことと、)
宇宙の話をしようって言って、花火を打ち上げて。彼が俺達に残す下らない願望は確実に俺達の人生の一部を意味付けた。傷跡のようなあどけなさで少年は言うだろう。
宇宙の話をしようって言って、花火を打ち上げて、青春を窓から投げて、小難しい言葉で嗜めてよ、約束して。
「宇宙の話をしよう、」
例えばお前が行くいつかの宛先の話だ。
「花火を打ち上げようか」
やがて墜落する写真達のように。
「青春を窓から投げる、それも悪くないね」
粉々にして飲み下すことを愛と呼ぶなら。
「面倒な言葉を覚えるな、天藾」
「野棚さんならそう言うと思ったのです」