作戦3、(押してもダメなら)引いてみる



「二宮さん!私もう二宮さんに構ってる暇ありませんからね!」
「何で俺が構ってもらってたような言い方なんだ」


聞かない聞かない!二宮さんの言葉なんて聞こえない!
こっちが引いたらきっと二宮さん寂しくて私に構ってくるはずだもんね!それを待たないと!

「し、しばらくは話しかけてあげませんからね!」
「だから何で俺が……」
「それじゃ!」


そこからばっと走り去る。
きっと後ろで二宮さんが引き止めているに違いない!でも今は振り向けない…!











「で、どういうことかな出水くん」
「いや俺に言われても…」
「二宮さん一切話しかけに来てくれないんだけど!」
「だからやめた方が良いって言ったのに…」
「もう1日経ったのに!」
「まだ1日なんですけどね」


毎日二宮さんと話してたから1回も話せないのは辛い!我慢出来ない!きっと二宮さんもそのはずなのに…!


「二宮さん照れ屋なんだね!」
「誰が照れ屋だ」
「いたっ!」

頭に衝撃を受けて押さえた。ってそれよりも!今聞きたくて仕方ない声が聞こえた!私は勢いよく振り向く。


「二宮さんっ!!」


わー!!目の前に二宮さんだ!
1日振りの二宮さんだ!
かっこいいいいいいい!!


「二宮さん遅いですよ!」
「何の話だ」
「寂しかったんですよね!私もです!」
「意味が分からん。説明しろ出水」
「いや…おれを巻き込まないでほしいんですけど」
「ほーらね出水くん!やっぱり二宮さんから話しかけてきた!」
「は、はあ…」



ふふふ…嬉しいなあ!やっぱり二宮さんも寂しくて我慢出来なくて私に話しかけてきたんだね!顔がにやけちゃう…!


「まあそれはどうでも良い。お前に用があったんだ」
「はい!なんでしょうか!」


告白!?ついに告白!?
お前がいなくて寂しかったって!?


「犬飼がお前を探していた。急ぎのようだから早く行ってやれ」
「……………」


なに、それ…


「二宮さんひっどいです!なんですかそれ!澄晴くんとかどうでも良いんですけど!」


私がギャーギャー騒いでいたら二宮さんが小さく笑った。………え?笑った…?あの二宮さんが、笑ってる…?



「そういえば昨日お前に会っていなかったのか。何故かそのうるささが懐かしく感じるな」
「っ!!に、に、二宮さん!私も寂しかったですー!」
「あ?誰もそんなこと言ってねぇよ」
「もう引くのはやめますね!私も二宮さんも辛いですもんね!」
「わけ分からないこと言ってないでさっさと行け」


うん!二宮さんだ!
これぞ二宮さんだ!


「はーい!じゃあちょっと行ってきますね!待ってて下さい二宮さん!すぐに戻ってきますから!」
「戻ってこなくていい」
「行くよ出水くん!」
「え?何でおれまで…って、ちょっと!」


出水くんを連れて澄晴くんの所に向かった。

さっさと終わらせて二宮さんとお話ししよう!1日分溜まってるからね!





作戦3の結果
引いてみたら結構脈アリな気がする!


(…結局結果は同じなんですね)
(あ、気がするんじゃなくて脈アリだよね!)
(…すげーなこの人)
(ああああ二宮さんに構いたいいいい)
(いやあんたが構ってもらうんでしょ)
(…ねえ、俺が呼んだんだけど。話聞いてる?)

→作戦4!

[ 4/19 ]

[*prev] [next#]

back