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 &Thank youG

次にじろくんからのプレゼントを開けると
出てきたのは紺色を基調とした
赤いツバのキャップで。

「わ これ!これって!
もしかして!お揃い…?!」
じろくんがいつも被ってるやつと
そっくりだ!!

手に持ってくるくるデザインを
確認していると「おう」という声が
返って来る。

「げ 弟にお揃いあげるって
どんな趣味してるんだ、二郎」
「ばっ ちっげーよ!
似た様なのが欲しいって
恭が言ってたんだよ」
「そうなのか?」

一郎さんからの問いかけに
コクコクと頷いて肯定する。
「僕 キャップって持ってないし
じろくんお洒落だし 持ってるものが
間違いないかなぁって。
ありがとう、じろくん!」
「どういたしまして」

お話しながらぽす、と頭に被ると
次はさぶくんからのプレゼントへと
手を伸ばす。3つの中で一番質量があって
重みを感じるソレは――――

「こ、これって!!!」

包装紙から取り出して思わず
さぶくんの顔をみる。

「僕が読みたかった小説…!
どうやって買ったの!?
初版完売で再入荷未定だって言ってたのに…!」
「色々ツテがあるんだよ」
どんなツテなんだろう!?
目をぱちぱちするしかできないけれど
ええ、ああ、と何度も本の表紙と
さぶくんの顔を交互にみる。

「それ、んなにスゲー本なのか?」
「うん 元々は海外の本でつい最近
やっと和訳されて発売されたんだけどね
待ちにまった発売だったから
どこも売り切れで 増刷も未定で」
「オークションなんかでだと
買えるけど 数倍の値段がついてて
子供が買えるような価格じゃない」
「って、僕が言ってたの
さぶくん 覚えてたんだね」
「当然」
しれっと言い放たれた言葉に、
再びさぶくんの顔をみる。

「当然なの?」
するとムッとした顔で
見つめ返される。

(これはなんか文句あるのかの顔だ)

「…へへ ありがとう さぶくん
大事に読むね」
ぎゅっと一度本を抱きしめて
それぞれのプレゼントを袋にしまいつけていく。
帽子も、一旦外して 綺麗に元に戻す。

それにしても―――


(僕が言った 何気ないことを
皆覚えてくれてたんだなぁ)

そうしみじみせずにはいられない。
想い出を記録として残していけるもの
お洒落なお兄ちゃんと同じもの
とても読みたかった手に入らないもの。

(全部、全部が宝物だなぁ)

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