Scary story
それはしとしとと雨の降る、ある夜半の出来事だった。
ぴちゃりぴちゃりと水音がする。おかしい。この屋敷は随分と前に伯爵夫人が亡くなってから使われていないはずだ。
古びた屋敷の前で僕らは踏み込む決意の最終確認をした。
肝試しをしようと深夜に山奥の神社に幼馴染7人で集まったのが、そもそもの間違いだったのだ。
満月の晩、彼はいつもどこかへいなくなってしまう。ついてきてはいけないよ。そういわれたが、好奇心には勝てなかった。入り組んだ旧路地を一定の距離を開けて尾行する。ふと旧市街のほうへと姿を消した彼をあわてて追うと、後ろから声が聞こえた。
学校の七不思議なんて小学生のうわさのようなことが、実はこの高校にもあるのだ。信じがたいことに、僕の友人は真相を確かめるために夜中学校へ行ったきり行方不明になってしまっている。
あの日、僕らが寮から抜け出して一世一代の大冒険をしたこと知っているのは、僕ら以外に誰もいないだろう。
ひたひたと足音が聞こえる。やめてくれ、僕は怖がりなんだ。
あれ。この展開、知ってるぞ。確か、次に犠牲になるのは……。
鏡の中のぼくがニヤリと笑って見せた。
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