BRITISH | ナノ

BRITISH

曇りや雨が多いといわれているこの国にも晴れという日はやってくる。
淹れてもらった紅茶を呑みながら庭に目をやるとせっせと手入れをしている彼がふとこちらを向いた。
「美味しいか?」
「えぇ、とても」
「紅茶だけは?」
「……心の声が駄々洩れでしたか」
「否定しろよ」
クスリと笑い彼は再び背を向ける。行き届いた庭が彼の、植物への愛情を物語っている。
本田文庫 ほんだ『イギリス紅茶物語』
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「これ、すごくおいしいです」
ただ口の中でもごもごするので紅茶は必須ですが。そう付け加えると彼はふわりと笑った。
「菓子作りは得意なんだ」
「意外、です。ええと、もちろんいい意味で。普段作っている姿は見たことがなかったので……」
「隠れて練習してたんだよ」
紅茶を飲みながら優雅に笑う彼はとても美しく見えた。
本田文庫 ほんだ『イギリスお菓子物語』
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