ITALY | ナノ

ITALY 1〜5

「美味しい……!」
「そうでしょ?自信作なんだ!」
ニコニコと笑いながら手作りの焼き菓子たちを頬張る彼につられ、私もなんだかおかしくて笑ってしまった。
今日で1か月目となるイタリア滞在は折り返し地点に来ていた。
「君といるのもあと2か月かぁ」
「だいぶお世話になりました」
「お互い様だよ!」
彼が私の住んでいる国に来た際が私が、私が彼の国に行く際は彼が面倒を見るのが私たちの間では当たり前になっている。夏の休暇を私の家で過ごす代わりに、私は冬の休暇を彼の家で過ごすのだ。
本田文庫 ほんだ『イタリア暮らし』
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