短歌 | ナノ

Faint,love song

575
星々を捕まえ夜空を呑み込んだ
深淵に落ちる貴方の嗄れ涙
ホントはね貴方のことが大好きよ
「愛してる」濡れた瞳で言わないで

57577
擦り寄って埋める心の隙間だけ いつか離れる君を奪おう

ぽたぽたと落ちる涙は数知れず 大好きすらも伝えられない

桃色の頬に手を寄せ口付ける さらに赤みの増す愛おしさ

最果ての地までは私が連れていく 寂しさだけが君の持ち物

美しき月夜の晩にひとりきり 愛することの出来ぬ寂しさ

心まで凍った僕を抱きしめて 君に突き立つ緋色のナイフ

祈りすら届かぬ夜にただひとり 無い物ばかり求める心

終焉が僕らにやさしく囁く日 祈りも魔法ももう届かない

愛しても愛されないとわかったわ 孤独な私を海にかえして

魔法でも君の涙はすくえない 甘いのだけが恋ではなかった

-2019-
雪が溶け春が来たならさようなら 新しき日に僕は居れない
額の中優しく君は微笑んで 棺の中で輝く指輪

-2020-
黒檀の 髪と真っ赤な 唇に 嫉妬をしたのは魔法の鏡

好きなもの 守るためには 切り捨てる すべてあなたが 悪いだけなの

崖の上 歌って踊って 船を見る 私のために 沈んでいいのよ

きらめきとゆめとを箱につめただけ 冷たい城に私はひとり

さぁ行こう褪せぬ思い出つくるため ぼくらはふたり夏を駆け抜く

きみひとり幸せならばそれでいい 口付けたのはバラの花びら

民衆の声は彼女に届かない 玉座の上で微笑む姫君

好きだよと君は私に言うけれど 瞳の奥に誰を見てるの

毒リンゴ食べていいこにしてるから 迎えに来てよ森の奥まで

星空を緩く結んでシンデレラ 今から君をさらいに行きます

川柳、短歌風味。字余り字足らず
たまに575が57577に変身します

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