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マリモの日


ゾロの。眉間が震える。

空から降り注ぐ陽光は文句なく気持ち良いし。
やわい髪の毛を撫でていく風も強いわけでもかと言って弱くもなくて丁度良い、のに、先刻からそれを邪魔されていて、“されている”のだ、つまりはたぶん故意に。
 ‥そりやァ、太陽も風も気持ちいいに越した事はないけれど、結局はどっちだっていい、今はとりあえず興味はねェ。


「  なに、してんだ てめェ」


耳の直ぐ近くでちゅうっと聞こえてくるしつこい音に。
頬は勝手に熱くなって。色なんてものを濃くする。

 ゾロの淡い緑色の髪、指で梳いて。残される何個もの軽い触れ。
それがなんとなくだけれど気に食わないのは、別に寝てるの邪魔されたからとかそんなのじゃなくて。もっと別の。


「おい!くそコック!」


頭にだけ贈られてくる、意味なんて分からない脣に。
正直、――― 苛々する。


「……てめェは何なんだ!ネズミかっ さっきから人の頭で煩ェ……!」


理由は至極簡単で。
単純な、


「 …〜〜〜いい加減に口にもしやがれェ!」


また近付いてきた顔を躱閃して、そう言えば。
やけに真面目な顔した、わずかに瞠ったサンジの眼は、何処か嬉しげで倖せそうにすうっと細められる。
ゾロの頬に伸ばされた掌と。熱を纏ったように呟かれる名前の音と。軽く傾けて近付いてきたサンジの顔と。強く深く躊躇いがちにけれどあます事なく味わうみたいに触れてくる脣に。
ゾロはさんざっぱら満足して、瞼を落とした。




(ねえ何してんのアイツ等)(3月29日がマリモの日だから愛護月間するんだと)(へえー… だからマリモ頭にキスなわけ)


(てか、ゾロってお強請りする時も命令口調なのね。サンジ君てマゾ?!)



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3月29日はマリモの日=ゾロの頭はマリモだよね→じゃあサンちゃん可愛がっちゃいなよ→理由の知らないゾロはだったら1人ヤキモキしちゃえばいいんじゃね?、な思い付きのままの内容はないお話
(20130327〜20130425/拍手お礼として掲載)



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