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ホワイトデーは3倍返し


「土方さん、用意出来ましたでィ」






ワイトーは





自室で本日の仕事の資料を片付ける、そんな土方の前にどんっと音を作って置かれたのは少し大きめの、銀色の丸い容器に入れられた白い物体。
其れは固さが無いのか振動でゆらりと表面を動かした。
 白くて柔らかくて、序でに土方に用意するものと言えば思い付くものはひとつしか無くて。
しかしそんなもの用意しろだの頼んだ覚えは無いし、もし頼んだとしても今土方の前に其れを置いたのは他でも無い沖田で。だったら尚更。土方の言う事など聞きはしないだろう。


「 …――――何だよ、コレ?」

「馬鹿ですかィ?あんたは。チョコレートに決まってんでさァ、ホワイトチョコレートでェ」

「あ?ホワイトチョコレート?準備って、んなもんこんなにどーすんだよ?」


何処かでがっかりしつつやっぱりマヨネーズでは無かったらしい、全く意図なんて読めずに首を傾げる。
更に謎の、その、溶けたホワイトチョコレートなるものに土方は溜息を向けた。


「今日は何の日で?」

「知るかよ」

「だからあんたは土方なんでィ、土方コノヤロー!」

「ああ゙っ!?」


あからさまに眉間に皺が寄るのに沖田は満足そうに笑う、その唇を土方の不機嫌に膨らむそれに重ねた。


「今日はホワイトデーじゃねェですかィ」


(だから、)


「チョコレートプレイしやしょう」

「ななななっ!?な!んで俺がそんなもんしなくちゃいけねぇんだよ!!!!」

「何の為のホワイトチョコレートだと思ってんで?わざわざホワイトデーに掛けてホワイトチョコレートにしてあげたんじゃねェですかィ。ちゃんもとう人肌の暖かさまで冷ましてありまさァ」

「いやいやいやいや!“だったら仕方ねぇな”って言うとでも思ったのかよ」


言いながら、土方の身体は畳の上、仰向けに寝転んでいた。
上に覆う沖田の亜麻色の髪を透かして蛍光灯が土方の眼をまばゆわせる。
細めた眼前、スカーフが遠くに放り投げられた。


「そっ総悟!」

「何ですかィ?どうせ名前呼ぶんならもっと色っぽい声でお願いしたいですねェ」

「止めろって言ってんのが聞こえねぇのかっっ 何なんだ!テメェは!」


「ヤだなァ土方さん。あんたの恋人、沖田総悟じねェですかそんな事も忘れちまったんですかィ?」、ねめつけた沖田の眼はさらりと土方の鋭さをいなして。

顔と。
何時の間に、開かれた胸部に生暖かい、白くとろりとした感触が伝う。


「  ‥――――何か顔射したみてェ」

「なっがっ?!テメ!ふざけんなァァァ!」

「ほんと、何も分かってねェんですねィ」


蘇芳色の眼に少し色を持って笑うその顔に、きっと何も知らない町娘なんかが見てしまったら一目で恋に落とす事が出来るだろうと土方は思う。
それでも今の自分は簡単に絆されたりはしない、何たって何を考えるかチョコレートプレイなんだ、普段普通に事をするのとは違う今日は揺れはしても‥‥


「チョコも貰えなかったですからねィ」

「あ?貰ってたじゃねーか!市中見回りで」

「それはあんたもじゃねェんで?どうすんですかィ中には本気のもあったんでしょう?」

「それはお前も同じじゃ、」


絆されは‥‥


「 だいたいこっちは欲しくねェんで、 好きなのは土方さんだけでさァ、あんたに貰えなきゃ意味ねェんですでィ」


絆‥され‥‥


「バレンタイン忙しくて出来なかった分もいちゃいちゃしたいんでさァ。あんたは思わないんですかィ?」


絆‥‥


「   ―――――ったく、仕方ねぇな、残すんじゃねーぞ」

「当たり前ですぜィ、どんだけお預け食らったと思ってんでェ」


チョコレートの甘い匂いと。
沖田の艶を含む声色の甘さに。
脳があつく蕩けるのを遠退く理性の中で感じつつ、土方は小さくおんなじくらい甘い息を零した。



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何、これ?\(^q^)/知らん←
取り敢えず沖土はチョコレートプレイしてそうだな、って話。
(20120314)



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