すき
ゾロが
すき
剣士として最強を目指すと決めた時から命なんてとうに捨ててる、その眼に
死んだ方がマシだ、その背中に
自分で自覚するよりも早く攫われたんだろう、このココロ。
「ゾロ、好きだ」
この台詞を一体何回伝えたのか。一向に答えは何時でも一緒だとしても何回でも伝える。
今までだったら無理だって理解したら早々と切り替えて次の女の子を捜していた。きっとそれは変わらずナミさんだったとしても。
実りの無い恋なんて楽しくねぇ
「──‥好きじゃねェ」
けれど何をしてるのか、俺は
10回や20回、もしくは100回断られたってこの気持ちは消える気がしないし伝えるのを止めようとも思えないのだ。このまま行けば確実に100回ペースだけれども。
それでも好き、だ。ゾロが大好きだ。
苦しく募るこの気持ちはゾロにだって消せねぇ。
好きになった時が1番好きの天辺だと思ってた。
けど、そうじゃなくて…日に日に好きは大きくなって重くなって膨らんでいく。
ゾロを欲して気持ちに火傷していく。
──好きじゃねェ、
「そ、れは… 例えばナミさんやくいなちゃん似の海兵、や、もしくはくいなちゃんだったとしても“好きじゃねェ”の好きじゃねぇ?」
「あ?」
「俺が俺だから“好きじゃねェ”のか?」
今日も変わらず冷たく放たれる台詞。間の取り方も音も変わらない、知っているそれ。
悔しいのか哀しいのか吹っ切れる方法を教えて欲しくて俺は知らなくて、踏み入れてはいけない領域は踏み入れ難くて、それでも踏み入れるのは容易くて…
ゾロの表情を見て(しまった)と思った。
「否っ…やっぱり女の子の方が可愛いし柔らかいしいいだろ?」
ははっ、と笑って誤魔化しに出した言葉は今度は俺の心を締め付けた。
自分で言っててザマねぇ
嗚呼…泣きそうだ、なんて
「──…おれ、は…闘いの中で生きている。何時死ぬかなんて、分からねェ、し覚悟もしてる」
ぽつりと零れてくるゾロの声が今までの、否定をする音と違う。
「そんな奴を好きにならねェ方がいい。好きになられても困るだろーが」
嗚呼…そうだ
コイツはこう言う奴だ
人の事を考える
「残される方も、…残す方も辛ェ。気持ちが強ければ強い程、想い合えば想う程、な。そう言うもんだ」
好きになるって言う事は、なんて言うコイツの事をやっぱり心底好きだと思った。
「俺は ゾロが、好きだよ」
「だ、から──…」
「俺がそんな弱く見えるのか?見縊るんじゃねぇ」
「……」
「テメェもそんな簡単にくたばってやる心算なのか?」
はっと笑いを含んだ息を吐き出したかと思えば、ゾロの凝り固まっていた表情筋が緩んで笑顔を型取った。
それだけでゾロは俺の顔を赤く染め上げたり心臓の動きを早いものにするから、全く以て狡くて仕方が無いと思う。
どうしてだろうか
次は返事をくれる、そんな気がしてならねぇ
「ゾロ、大好きだっ!」
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ゾロはサンジを(気持ち含め)受け入れないんじゃなかろうかと思う事も最近あったりして、勿論ゾロも大好きなのが大前提にあって、でもそれでも受け入れない。ゾロの生きざまとかそんなのが深く拘っていて、だから受け入れないと言うか受け入れるのが怖いと言うか。好きになんねェと言い聞かす。
と言いつつ何だかんだと御託を並べても結局は何時もの甘。好き合ってるんだからその為に出会ったんだから倖せにならないと間違いだと思う。このサイトはこんなので良い。最終的に何だったのか
(20091101)