日記SS | ナノ

手を繋ぐ


朝から雨が降っていて、ゾロはトレーニングで使った筋肉を休ませる為に何時もなら輝く太陽を受けながら眠りに就くのだが、仕方なく今日は雨から逃げる様に男部屋で昼間からの睡眠となった。
寝すぎたからなのか使った筋肉が元気になったのか、それともそろそろお腹が空いてきたのか、誰に起こされるでも無くゾロの眼がぱちりと開いた。
天井を見上げる視界の端に映り込んできたのは黄色い色、で、ゾロは少しだけ頭を横に傾ける。
汗を流しにお風呂には入ったものの昼間からボンクに登るのも躊躇われ、床の上に大の字で寝転ぶゾロの横、一体何時から居るのか微かに寝息を立てるサンジの姿があった。


珍しいな


サンジが寝るのはゾロよりも遅く、起きるのは早い。夜中に起きる事もゾロにはそんなにある事では無い。
サンジの寝顔が見れる事が、ある事を除いて徹底的に少なかった。
そんな希少価値であるサンジの寝顔を見溜めするかの様にまじまじ覗けばふと温かい空気を覚えた。


「?」


何だ?とその空気に混じる甘い雰囲気を辿れば在るのは自分の手で、そんな自分の掌に重なり組まれたもう1つの掌。
寝ている自分を見付けてこっそり物音を立てない様にサンジが近付いて、きょどきょどと辺りを見渡しながら自分の前に投げ出される様に置かれたその掌の上にそおっと自分のそれを重ねてはまた辺りを見渡して、力を込めたり緩めたり、自分の身体に引き寄せる様にして、今ゾロがしている様に相手の寝顔を見詰めては緩む頬に何だか暖かい気分に駆られ、そうしている内にゆっくりと来た眠気に落ちた、そんな所だろうとゾロの脳裏にはサンジの様子が逐一浮かんだ。
そんなサンジの様子を思い浮べるゾロの頬も緩み、そしてそれも満更悪くない等と思いながらゾロの繋ぐ手が微かにサンジに密着を強めた。
ふわりと金色の髪が重なる2人の掌を撫でる。
ゾロの唇が殊更優しくサンジの額に触れれば、ぴくりと震えた睫毛が可愛かった。
やはり悪くねェ、とゾロはもう1度眼を閉じる事にした。



-----------
テレビで見た寝ているラッコに別のラッコが手を絡めに行くほのぼの愛らしいシーンよりゾロとサンちゃんでのシチュを妄想。
ゾロがサンジの寝顔を見る事が出来るある事とは、つまりは情事後ですね(゚З゚)b←
(2009.10.04)




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -