日記SS | ナノ

星合


無人島に到着して3日。
真っ先にルフィが船を飛び出せば暴走を追い掛けてナミが船を降りた。ナミが上陸すれば反射的にサンジも後に続く。
チョッパーは医療に使える薬草を捜す為に、島の歴史を調べたいと言うロビンと一緒に船を降りた。
そんな5人が島の探索から帰って来るまでには、大抵なら1日1日船に戻ってくるものだろうがルフィが散々遊び回ったのだろう、長い上陸期間となっていた。



「遅かったなー、お前等」


燥ぐルフィを脇にぐったりした様子のナミとサンジを見付けたウソップが声を掛けた。
余程体力を消耗しているのだろう、ルフィだけが返事を返す。
この時点でウソップは自分は行かなくて良かったと切に思うのだった。



「サンジ君 私、お風呂行ってくるから何か飲み物作っておいて」


ルフィを叱り殴り付けた、そして最後には二度と動けない程に柱に括り付け、ナミはそう言ってフラフラと浴場へと歩いていく。それをサンジは力無い笑顔で見送った。
ナミ、さんの…何か作らねぇ、と……嗚呼でも先に…
サンジもフラフラとその場を後にした。


向かった先は他の何処でもない只1つの場所。


サンジの頬は綻ぶ。
眼を閉じて、伸ばす両手に力を込める。序でに両脚も使ってやった。まるで抱っこちゃん人形の格好を取る。
頬に触れるその場所に、更に触れ合う箇所を多くする為に頬を擦り付けた。
情けないけど、たった3日間だったけど、この短い期間逢えないだけでもこんなに切ねぇなんて…寂しく、思うなんて…惚れすぎている自分に些か溜息。
そんなサンジの溜息に被さる様にふうっと溜息が聞こえた。しかしそれはサンジにはあまり聞きたく無いものだ。


「…おい」

「今日何の日か知ってるか?」

「てめェ」

「ゾロは興味ねぇか」

「コック」

「しっかり働らいてナミさんに織り姫宣告されねぇようにしねぇとなぁ、俺」

「ぐる眉」

「毎日逢いてぇ」

「離れろ!」


サンジの身体は力任せに引き離された。
織り姫が天帝に因って引き離される時の辛さなんて分かりはしねぇが少しなら分かるな、なんて考えながらサンジはナミに頼まれた飲み物を淹れる為にその場に立ち上がる。
僅かながらもそれなりに元気出た
が、ガクンと膝が折れて再びサンジは座り込んだ。
あ、れ……


「ゾロ…?」

「どうせなら正面から来やがれ、何も出来ねェ」

「──‥ゾロ テメェ、ちゃんと仕事しろ、よ?」

「煩ェ、何だ仕事って」



(逢いたかったのはてめェだけじゃねェ)



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ゾロに向かって土下座する様な格好で抱き締められようとも(本当は同じ視線で抱き締められたくても嬉しいから良いのです)
はい、ゾロだってサンジに逢いたかったんだ。ってお話。
そしていちおう七夕な話。
(2009.07.07)




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