第3章完結 | ナノ
第3章完結

 えーと、3章は本当に色々あって何から語ればいいのやら(笑)

 まずこの章は黄昏の国と救世軍という物語が動き出すための、言わば「エンジンをかける」章でした。1章2章は物語という車に給油するための章だったんですね(キャラと世界観を読者の中に落とし込まないと走り出せない)。
 そのためにカミラとジェロディが出会い、フィロメーナの死というひとつの区切りを迎えました。4章はこの「起」を引き継ぐ「承」となりますので、ストーリーの進みがちょっとスローテンポです。遺された人々と救世軍が立ち上がるまでを、少し紙幅を割いて描きます。

 2章でジェロディという黄皇国側の少年を出したことで、読者の皆さまは救世軍のカミラと官軍のジェロディが対立し戦う構図を期待されたかもしれません。その点、「えぇっ!? 仲間になっちゃうの!?」と興醒めされた方もいらっしゃったかもしれませんが、ご安心。
 ジェロディを黄皇国側の少年として描いたのにはちゃんと意図がありまして、もうしばらくしたら物語は黄皇国側からの視点も絡むものになってきます。カミラVSジェロディという構図にはなりませんが、2章で登場した人々は結構重要な役割を担う予定です。

 ううん、それにしても……この物語は10年近く前に書き上げた某ゲームの二次創作長編を2014年に一次創作へ変換して書き始め、更に2014年からの連載を途中で放棄して改稿を始めたのが現在の連載ということになります(二次創作を辞めたのは、連載を続ける中であまりにもオリジナルの人物や設定が増えすぎたためです。だったら最初から一次創作でやれ!という読者様からのお叱りもありました)
 つまり同じシーンを書くのはこれで三度目ということになるわけですが、はい。書きながらしんどくて泣きました。三回目なのに、三回とも(笑)

 フィロメーナというキャラは、元となった二次創作時代の原作キャラがいて、私は某ゲーム初プレイ時から彼女が好きで好きで仕方ありませんでした(なので登場してすぐ死んでしまうのが衝撃だった……( ;∀;))
 たぶん原作中でとある将軍と並んで一番好きなキャラだと思います(敢えて原作名を語らないのは、3章を読めば原作知ってる方には一発で分かるだろうから。そして原作を知らない方にググられてしまうと、この先の展開への大々的なネタバレになってしまうからです。ちなみに第3章の完結時の話数は「108」話。もちろん原作への愛を込めて、わざとです笑)

 なのでもうフィロメーナが息を引き取るシーンは何度書いても悲しくて悲しくて……本当はもっと生きててほしかったんだよ! 一緒に冒険したかったんだよ! 幸せになってほしかったんだよォ! という原作プレイ時の情動が爆発しました……(笑)
 でも私があのキャラ(フィロメーナ)を好きなのは、とどのつまり彼女があのシーンでああして命を落とすから、なのだと思います。
 彼女は人の命のきらめきを、弱さと儚さを、しかしその中で一際強く輝く「可能性」を見る者に教えてくれました。
 そんな彼女の生き様に、強烈に胸打たれたわけです。彼女の死を看取ったジェロディのように。

 私がこの物語を通して描きたいことは色々とありますが、大きなテーマのひとつに「人間の善性と可能性」というものがあります。この物語を通して、というか、そもそも私が人生を懸けて創作で表現したいもののひとつかもしれません。エマニュエルシリーズ以外でも、長谷川作品ほとんどに共通したテーマなので……(笑)
 またエマニュエルシリーズでは、登場人物たちの人生の一部を「切り取る」のではなく、生まれてから死ぬまでの一生をできる限り追いかけたいと思っています。『エマニュエル・サーガ』の題がつくシリーズ本編は以前もお話したとおり全3部構成で、特に主人公のカミラ、ジェロディについては彼らが死ぬまでの物語を描く予定です(私が生きている間に最後まで書き切れるかどうかは別として……笑)

 その点フィロメーナは、私がこのシリーズを通して描きたいものをすべて体現してくれた存在でした。彼女を失うということは救世軍にとって、そして作者にとっても大きな損失です。
 だけどそこからのカミラたちのグリーフワークを描くこともまた、この物語が持つ使命だと考えています。
 人間はいつか必ず死に、出会いと別れを繰り返す。それが「人生」であり、どんな苦難や悲しみに見舞われようとも泣きながら前を向いて生き続ける、そこに作者は人が持つ無限の可能性と生命の美しさを感じています。それを生涯をかけて描き切りたいです。


 と、堅苦しいお話はここまでにして(笑)

 そう言えばせっかくRPGツクールを買ったのに、ESゲーム化計画は遅々として進んでおりません。というかESのストックがマジでやばくてそれどころじゃねえ!(本音)
 そんな中、ちょっとした時間に無料音楽素材を聴いてはゲーム化の構想を膨らませているのですが……今日はその中から1曲だけ。




 「H/MIX GALLERY」というサイト様で無料配布されている、秋山裕和様作曲の『Moment』という曲です。
 この曲は3章最終話のイメージミュージック。ゲーム化が実現したらカミラがフィロメーナの棺を燃やすあのシーンで使いたいと思っています。

 もう。もうね。素晴らしいんですよ、この楽曲。
 ESの原点を書き始めた10年ほど前から、個人的に秋山様の作曲される音楽が大好きでした。原点が完結したときにも秋山様の楽曲を拝借し、エンディングムービーを作ったのはいい思い出です(笑)

 私にそんなプログラミングの腕があればの話ですがこの『Moment』、ゲーム中で使うならちゃんとテキスト送りを制御して、冒頭のピアノソロにストリングスが加わりメロディーが盛り上がるあたりでカミラが棺に火をつける演出にしたいです(もちろんスチル付で)。
 盛り上がりが一旦引いてピアノソロに戻るあたりで、フィロメーナとの思い出回想。最後のピアノの音に乗せて夜明けの空を見上げるカミラの背中をローアングルから描いたスチルを出して、再びストリングスがメインになるあたりから3章終わりのエンドロール。
 という構想はあります。構想だけは!!(笑)

 しかしこの『Moment』の、切なさ込み上げるピアノソロと中盤の盛り上がりと旋律の美しさ、そしてラストの日の出を思わせる希望的な締め括り……どれを取っても最高です。マジで。
 実はこの曲にはオルゴールバージョンも存在するのですが、そちらは106話「君を待ってる」とか107話「いつか笑顔で」のあたりのシーンで使えたらなあとも思ってます。とにかく今言えること、それは「好き!!」(笑)


 この「好き」の気持ちを映像作品(ゲーム)として昇華できればいいんですが、果たしてこの野望が果たされる日は来るのでしょうか……。
 実は今年の初めに「年内にESのストック50話作る」という目標を掲げていたと思うのですが、長谷川、まだ半分も達成できていません(吐血)

 現段階で一応30話分は作ってあるものの、これが年末までに22話消化されてしまう計算なのですよ。なので2017年残り2ヶ月とちょっと、死ぬ気で書きまくらないと年を越せません。
 そんなわけで最近では仕事終わりに夕食がてら職場の近くのカフェ等に寄って、1日1話書けるまで家に帰らないというセルフ帰れま10を実施中です。毎月15話書けば何とか間に合うのよ。何とか……。

 今月は10日現在で6.5話書けているので、このペースならイケるかな。竜人の今月更新分も実は先月中にほとんど書いてしまったので何とかなるはず……!
 そんな感じで今年も最後の1日まで、毎日みっちりESを詰め込んで走り抜けたいと思います。第3章、悲壮な感じで終わってしまいましたが次章、カミラたちが再び立ち上がるための戦いや葛藤が繰り広げられますので好御期待!?です!

 最後になりましたがいつも拍手下さる皆さまありがとうございます。
 人生色々ありますが、読んで下さる皆さまや拍手で応援して下さる皆さまのおかげで何とか歯を食いしばって頑張れております。
 お気に召しましたら拍手や感想欄で想いをぶつけていただけると嬉しいです。
 今後もエマニュエル・サーガをどうぞよろしくお願いいたします。

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