『Extreme Ways』(Moby)

　映画好きのあなたなら、一度はこの曲を耳にしたことがあるかもしれない。アメリカのミュージシャン・Mobyが手がけたオルタナティヴ・ロックの名曲『Extreme Ways』。
　何を隠そうこの楽曲はかの有名なハリウッドのスパイ映画『ボーン』シリーズの主題歌だ。このシリーズの２作目である『ボーン・スプレマシー』が公開された当時、無知だった私こと長谷川はそれがシリーズの２作目であるとは露知らず、マット・デイモン主演という言葉に釣られてほいほい映画館へと足を運んだ（当時から私はマットの大ファンだった、そのくせ間抜けにもこの映画に１作目が存在することを知らなかった）。
　そしてその素晴らしい映画を鑑賞後、エンドクレジットで流れたこの主題歌を聴いて雷に打たれたような衝撃を感じたのを覚えている。サイレンのように印象的な効果音から始まるエレクトリックかつクールなイントロ、映画の内容にぴったりの頽廃的な歌詞、いつまでも耳に残るメロディー……。

　私がボーン・シリーズの大ファンになった一因はこの主題歌にもあると思う。それくらいこの楽曲はシリーズの内容や雰囲気に完全にマッチしているし、何よりとにかくかっこいい。
　そして私は今回の企画に提出した『BRAT&FART』の構想が最初に頭に浮かんだとき、イメージソングにするならこれしかないと確信した。『Extreme Ways』の歌詞や曲調は『BRAT&FART』の雰囲気にもぴったりだと思ったからだ。
　でもって大好きなボーン・シリーズへのオマージュの意味も込めたかった。『BRAT&FART』には私が愛するたくさんの映画へのオマージュを詰め込んだ。そのうちの１つをこの曲からも感じてもらえたら嬉しく思う。

　Oh baby, Then it fell apart.
　It fell apart...