全く光の入らない炭鉱。正直灯篭の光のみのここに近づきたくないんだけれど。


「本当に不憫だよな、お前」
「なぜじゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!????」
「ちょ、響くから大声出すんじゃねぇよ!!」


頭を抱えて鉄球につながる鎖をガシャガシャと鳴らす不憫な奴、黒田官兵衛をジト目で見る。
昔っから何もないところで転ぶのは当たり前。何故か官兵衛の食べるものだけ痛んでいるのも当たり前。巻き添えを喰らうのも当たり前。不幸を形にするとこいつになるのか…と遠い目をしたくなるほどの不幸体質。


ほら今だって三成のやり方に少し逆らっただけで、日の光を浴びることすら許されない炭鉱に閉じ込められている。それだけでなく逃げ出さないように手足に大きい鉄球+鎖をつけられている。

まぁ、官兵衛本人はなぜじゃぁぁああっ!!と叫びながら炭鉱の作業員と仲良くなってるわ、何故か鉄球を武器にしているわで不幸をバネにしている分俺よりも強いんじゃないかって思う。


「はぁぁぁぁ…」
「なんだ、いつも能天気なお前さんが溜息なんぞ吐いて」
「もー考えすぎてハゲそうなんだよ。俺は絶対秀吉や半兵衛みたいにアイツらを守ってやれねぇし、今だって何にもできない。お前みたいに不幸をバネに強くなんてなれない。おれは、」


ねねが死んで一回立ち止まって、三成たちに救われて立ち上がった。今は秀吉たちが死んで、まだ立ち止まったままなんだ…。
だから復讐を考えるなんてまだアイツらみたいにできなくて、情けない。

誰かがひっぱりあげてくれるなんて甘い幻想をまだ信じているんだろうか。まだ、やり直せるんじゃないかって思ってしまっているのか。


「………はぁ」
「考えすぎだと思うがね、小生は」
「あぁん??」
「なんでそんなに喧嘩腰なんだお前さんは…」
「うっせぇよ。つーか喧嘩売ってんなら買うぜ??」
「お前さん喧嘩を売るような馬鹿、小生は知らんね。っと話がそれた。三成も形部もお前さんが守らんとあかんような子どもなのか??そりゃぁ数年前、ここに来た当時は蝶よ花よと可愛がって育てて良かったのかも知れんが、今はもう小生やお前さんに引けを取らない位の実力者だろう??」


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