「諦めないとは言ったけれど、どうしようか」
「ヒヒッ、ぬしが悩むなど珍しいナァ」
「…形部だっていつも以上に覇気がないぞ」

はぁ、と二人そろって溜息を吐く。
俺らの視線の先にはかつての姿には程遠い、石田三成の姿がそこにあった。

決して血色がよく標準的な体躯とは言えなかった三成の体だが、最近では目を疑うほどに血の気を失い痩せ細っていた。以前は何だかんだ食事を摂らせていたが、今はそれすらも受け入れてもらえない。


数少ない材料を使い好物である甘味を作るが食べている暇すら惜しいというように業務に没頭している。それと同様に睡眠もとらない。


「どー思いますか形部サン」
「ぬしが言って聞かぬのならわれにはどうも出来ぬ」
「や、だって俺の言うこと聞いてくれないのとか結構初めてなんだけど。つーか、何故か俺の業務すらやられてて今とっても暇なんですが…」
「よいではないか、鍛錬でもしておれ」
「無理無理無理!!!!可愛い可愛い息子である三成があんなに体調を崩しそうな状態で業務をしているのも嫌だし、いつものお茶タイムだってないんだぜ!!そんな状態で鍛錬でもしようものなら絶対ミスして大変なことが起こる!!」


ノンブレスで言い放つ俺を形部はゴミを見るような目で見下した後、食事でも作ってやれと言って部屋に戻っていった。形部も形部で最近は何か企んでいるようだし心配だ。



「心配するしかできないのかよ、役立たずが…」


あぁ、知っているさ。
俺はあの二人に何もできない。イレギュラーな存在だからこそどう動いていいのか全く見当もつかない。



「だぁぁああっ、くそ!今俺に出来ることなんて限られてんだろ!取り敢えず三成にご飯、んで刑部にも食べさせて息抜きさせてやんないと多分ダメだ」


今この時代、栄養バランスなんて期待出来ないだ。けど良い食事は良い身体を作る!

あの腹黒狸に復讐するのならまず第一に食事をするべし!




有り得ないことかもしれないけれど


(愛おしい家族がいなくなる気がした)
(そんなの、絶対に許さないけれど)

To Be Continue…?


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