依存と共存 | ナノ






「じゃ、行ってきます」
「いやいやいや、何言ってんのダメ!!けが人でしょ!?てかフラついてるじゃない!!」
「??今行けってカントクが…」
「言ってない!!たらればが漏れただけ!!」


…は、呆然としてた。


「ダメだよ、テツヤくん!!あぶないよ!!」
「…ボクが出て戦況を変えられるのなら、お願いします。…それに、約束しました。火神君の影になると」
「「………!!」」


「ぅーもうっ!!りっちゃん、こうなったテツヤくんはどうやっても言うこと聞いてくれないからワガママ聞いてやって。そのかわり、テツヤくんは試合終わったら絶対病院に行くこと。あと、私のお説教ね??」
「!?わ、わかりました…」


「はぁ、もう勝手にきめて…。黒子君、ちょっとでも危ないと思ったらスグ交代します!!」



***
メンバーチェンジをして、また試合が再開される。
怪我で2Q・3Q丸々引っ込んだおかげで影の薄さが元に戻ってることが不幸中の幸いなんだけど。


日向にボールが渡り、同点になる。
途端に黄色の雰囲気がガラリと変わった。


「…っ、りっちゃんちょっとまずいかも」
「え??」
「黄色はさ、今まで負けるとか追い込まれるって経験が『キセキの世代』以外になかったの。でも、今回舐めてかかってる高校に同点にまで追い込まれて…キレた」
「き、キレたって…!!」
「たぶんさっきまでより数倍強いよ。しかも、こっからは1Qと一緒点の取り合い〈ランガン勝負〉になる」



私の予想通り、黄色は本気になってランガンに持ち込まれた。
試合終了まで残り15秒。


「同点…っ!!」


残り10秒切った。
前半のハイペースと部員不足で誠凛には延長戦は戦えない。

だからここで決めなきゃ、負ける。


「守るんじゃダメ!!攻めて!!」


幸さんを止めようとした日向の足が限界で、倒れそうになる。


幸さんがボールを撃った瞬間、火神くんがスティールする。


あと3秒。


2秒。


「いっけぇぇぇえええっ!!」











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