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パシフィック・リム  Conclusion


Conclusion



 青い海原をヘリが行きかっている。
そして海の上に広がるなんて素晴らしいスカイブルー、いや菫色の夜明けだ。
帆船のような雲が水平線を行き、波がまるでレースの裾のようにさざめいている。
しんと冷たい静謐な大気――そこに居る大切な人。
 虎徹の瞳がバーナビーに真っすぐ注がれていて、バーナビーは微笑み返す。
金鳳花色のそれは、かつて初めて覗き込んだ時と同じ縞瑪瑙のようで、瞳の中に自分と波とを映し出していた。

虎徹、バーナビー、君たちの位置を確認 ヘリが向かってる。もうちょっと待ってくれ

――?  大丈夫か? 応答しろ





 虎徹とバーナビーはそれには答えず、海上で揺れる脱出ポッドの上でそっと抱きあい互いに額と額をくっつける。

「呼ばれてますよ、虎徹さん」
「お前もな? バニー」
 そうして二人は笑って互いの体温を確かめあうのだ




 生きよう、精いっぱい。
自分たちを生かしてくれた沢山の人々の、その祈りの上で。

 生きよう、沢山の愛しい人がくれたこの大切な未来を。


 みんなで。









FIN.


TIGER&BUNNY
【パシフィック・リム】Pacific Rim
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http://www.yunphoto.net
Photo by (c)Tomo.Yun




2016 CHARTREUSE.M Thank you for reading to the last.
最後まで読んでくれてありがとうございました。







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