夏休みが始まって一週間。
1ヶ月間丸々休みだと思うと、嬉しいようなそうじゃないような。
正直夏休みの後半はやることがないし、学生だからお金もない。
趣味なんかが無いと本当は意外と大変な休みのような気がする。
宿題はこの前岬ちゃんと一緒にやって残りはあと半分くらい。
また一緒にやろうっねて約束したから宿題の心配はいらない。
ああ、それにしても暑い。
アイス食べたいなぁって思って冷蔵庫を探すけど入ってなくて、じゃあ炭酸飲みたいって探しても入ってない。
仕方ないからコンビニ行こうかな、って決めて財布と携帯を持って家を出た。
玄関を開けた瞬間からまるでサウナにでも入ってるみたいなそんな気持ちになる。
汗が浮かんで、流れる。
気持ち悪い、そういえば日焼け止め塗ってないなぁなんて思いながら暑いコンクリートの上をサンダルで歩く。
コンビニの中はまるで天国。
しばらく涼んでいこうって決めて、まずはお菓子を物色。
新商品とか色んなの見たけど、夏場だからチョコレートは違うしやっぱりアイス。
そういえばさっきからアイスゾーンがやけに賑やかな気がする。
しばらく見に行けないかなぁって覗けば4〜5人の男の子たちが群がって物色していた。
―――あれどこかで見たことあるような、って記憶を辿ってくと一人の男の子と目が合った。
「あ!あ!むむむさん!むむむさんだ!」
橘くんがテンション高めに私に右手を振ってくれて小さく振り返すと、残りの4人も私を見てた。
コンビニの中でそんなに騒がない方が…なんて思いながら、微妙な空気感に耐える。
友達っていうよりクラスメイト、そんな関係だから本当に微妙に気まずい。
どうしたの?何してんの?って話しかけてくれる橘くんにちょっと買い物に…なんて返事をして、暑いよねぇなんて何でもない話をする。
早くしろよと後ろから聞こえてくる声に橘くんがじゃあまた!と元気に挨拶をしてくれて私も頷いて返した。
汗はもう引いてる。
ちょっとしたお菓子とアイスを買って、家まで歩く。
浅羽くんの私服姿が見れてちょっとラッキーだったかも、なんて思いながら既に少し溶けていたアイスを頬張った。
真夏のアイス戦争
(だけどやっぱり暑いは暑い)
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