暇人。
それはきっと俺らの代名詞。
外はまだまだ寒い。
今日は、年中快適な空間である図書館でダラダラと喋ったり喋ったり、喋ったり。
内容は無いのに話が尽きないんだから、ほんとに下らない。
要と俺と春が並んで、向かい合うように祐希と千鶴が座る。
真ん中には千鶴と祐希が持ってきた動物図鑑や恐竜図鑑が広げてある。
写真を撮ろうとする祐希と千鶴が携帯を取り出して、要は下らないって頬杖、春は相変わらずニコニコしてるし俺はそれを見守る。
「あれゆっきー、また集めてんの?それ」
何枚か写真を撮った千鶴が、祐希の携帯を興味深げに覗き込んでいる。
なんだなんだと皆で見れば、そこにはついこの間お皿に変えたはずの点数シールが貼ってあった。
「もう協力しねーぞ」
「いいよ別に」
「ゆっきー1人で集められんの?」
「いや別に集めてるわけでは…」
偶然ですとか、たまたま余っただけだとかハッキリしない様子で千鶴から携帯を取り上げ、すぐにセーターのポケットにしまい込んだ。
その様子が余計に千鶴の興味を引いたらしいが、祐希はお腹すいたなんて言いながら春からお菓子をもらっている。
「怪しい!あーやーしーいー!」
「別に何でもないですから。ただの点数シールですから」
「ただの点数シールを携帯に貼って大事に保管!?あーやーしーいー!」
「いや大事もなにも貼ってあるだけですから」
「何だよーつまんねーなー」
身を乗り出していた千鶴が諦めたようにドカッと椅子に座った。
つまらない、何かねーのか、と。
「要っち宿題見せて!」
「あほザル、自分でやれ」
「要のけち」
「何がケチだ、何が」
「ゆーた、家で見せて」
甘えるようにすり寄ってくる祐希に、はいはい家で、なんて言う。
「そろそろ帰りましょうか」
春の声に導かれ、開かれたままの図鑑を本棚に返す。
リュックを背負い、明日休みにならないかなーなんて何でもない会話を繰り広げた。
別に何でもないけど
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