月曜日の学校はやっぱり修学旅行の話で持ちきりだった。
写真を広げていたりお土産の見せ合いっこだったり、楽しかったよね〜なんて会話もそこらじゅうから聞こえてくる。
私も自分の席に着くと、岬ちゃんがおはようって話しかけてくれてそれに返した。
お昼休みになって、机にドサッと拡げられたのは修学旅行で撮った沢山の写真。



「私も現像してきたよ」

「よし、見よっか!」



私の分も机に拡げて、教室の隅で二人で盛り上がる。
お寺の写真とか、ガイドさんや先生、クラスの子たちと撮った写真がいっぱい。
普段あんまり話したりしない子でも、修学旅行だと話したりこうやって写真撮ったりして仲良くなれた気がする。



「ヤッホー何してんの!ってこれ京都の写真じゃん!」

「おはようございます」

「たくさん撮ったんですね」



橘くん、祐希くん、松岡くんの三人が私たちのところにやってきた。
その手にも写真が握られていて、みんなで写真の見せ合いっこが始まる。
当然といえば当然の流れなのかもしれないけど、それが楽しかったりするんだからいいんだろう。
楽しまなきゃ損、だよね。



「嵐山いいなー行けば良かった」

「この舞妓さん綺麗だね」

「…鈴雛さんって、言うんです」

「鈴雛、さん」



はい、と返ってきた松岡くんが優しく笑った。
京都で舞妓さん見なかったなぁって思ってると、橘くんが一枚の写真を出してきた。
綺麗な舞妓さんが二人、カメラに向かってピース。
…なんだけどこれって、もしかして、



「これ橘と浅羽?」

「イエーッス正解!」

「何してんのよ…。これって舞妓さんの体験できるってやつ?」

「せっかくの京都ですから。二人ともよく似合ってますよね」

「浅羽はね」

「ゆっきーだけじゃなくて!俺も似合ってんじゃん!」



確かに橘くんも似合ってない訳じゃないんだけど、浅羽くんが綺麗すぎてそっちに目が行く。
それ以外にも、橘くんたちの写真は賑やかな物がたくさん。
いつも5人のうちの誰かが一緒に写ってて、本当に仲良しなんだなぁってのがよくわかる。



「賑やかですね」

「声でけーんだよサルが」



ワイワイしてると、後ろから塚原くんと悠太くんがひょっこり顔を出した。
机に散らばっている写真に興味津々のようで、何枚か手に取り可笑しそうに笑った。

そうこうしているうちに昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
ヤベー!って写真をかき集めて祐希くんたちは自分の教室に戻っていく。
私も自分の写真を片付けていると、何かを思い出したように橘くんが戻ってくる。



「俺からのプレゼント!」



ニッと笑った橘くんはそのまま走り去っていって、手元に残ったソレをちらっと見ると思わず赤面しそうになった。
それは、新幹線で悠太くんと撮った写真。
何なに?と覗き込もうとする岬ちゃんに見えるようにちらっと見せると、岬ちゃんはニヤッと笑って私の肩をバシッと叩いた。



「何やってんだよお前ら」

「移動教室ですよ」



塚原くんと悠太くんがそう言ってくれて私たちは慌てて準備をする。
走っていく塚原くんと岬ちゃん、悠太くんを追い掛けるように私も足を急がせた。
振り向いた悠太くんが私を見て「急いで」と小さく口にして、私は何と無く恥ずかしくなりながら並んで走った。


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -