もうすぐ球技大会当日。
私は岬ちゃんと一緒に卓球にエントリー。
やってたわけじゃないけど、バスケットやバレーよりは出来るよねって話して決めた。



「勝てる気がする」

「ど、どうかな私卓球って授業でしかやったことないんだけど…」



相手が誰が気になって、ついさっき先生にコッソリ教えてもらいにいったところ。
一回戦二回戦はどうやら相手も卓球初心者らしくて、岬ちゃんは勝てる気がすると意気込んでいるのだ。
これはいける大丈夫だと言う岬ちゃんに苦笑いを返しておく。(私のせいで負けちゃったらごめんね…)



「リベンジッ」



そんな声と共に、足元にポトッと落ちてきたアップルジュースの空パック。
拾い上げて視線を前に向けると、あの5人組が階段に座り込んで私たちを見ていた。



「あーあ千鶴最低。女の子にゴミ拾わせるとかサイテー」

「んなっ…ゆっきーがリベンジしろって言ったんだろー!」

「ゴミ箱に捨てろとは言ったけど通路に捨てて拾わせろだなんて言ってません」

「つーかどこに投げてんだよ、どんなノーコンだよお前」

「あ、むむむさん捨てないでそれ、リベンジ!リベンジするから!」



橘くんに渡して、もう一度やってみるけど弾かれてゴミ箱には入らない。
岬ちゃんが拾ってリベンジリベンジと繰り返す橘くんに、呆れたようにそれを渡す。



「どんだけ暇なの」

「見ての通りです」

「あーもうっ、何で入んねぇの!ゴミ箱の呪い?ゆっきーの呪いか!?」



いつ見ても何してても楽しそうなみんなは、みてるだけでも何だか楽しい。



「そういえばおふたりは、球技大会は何に出るんですか?」

「私らは卓球だよ」



松岡くんが私に問いかける。
ね、って私に同意を求める岬ちゃんに頷いた。
みんなは揃ってバレーに出るみたいで、応援来いよ!ってクラスが違う橘くんに言われた。
行けたらいいけどどうだろう。
バレーと卓球って時間被ってたような気がするんだけど…。



「よっし、要っちもリベンジ!」

「リベンジどころか一回もやってねぇよ」



飲み終わった塚原くんにパック投げを強要する橘くん。
かなり嫌がられているみたいだ。
そんな様子を岬ちゃんと一緒に眺める。
私も後でジュース買いに来ようかな、って考えてると一瞬悠太くんと目が会った気がして



「じゃあオレが」



塚原くんから受け取ったパックを、悠太くんがゴミ箱に向けて投げる。
吸い込まれるように入ったパックに、橘くんや松岡くんから歓声が上がる。



「岬ちゃん時間大丈夫?」

「…あ。そろそろ帰らなきゃバイト間に合わなくなるかも」



じゃあねとみんなに手を振って教室に鞄を取りに戻る。
帰って行った岬ちゃんを見送って、私も借りていた本を返しに図書館に向かった。


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