手繋いでやるよ





「お嬢、お嬢。朝でさァ。起きてくだせェ。」


私を起こしにきたのは執事、沖田総悟。

特に私の家が金持ちというわけではない。
ただ、お父さんに恩があるとか…
それから私の家に住みついて執事をしている。


私は眠い目をこすりながら起きた。


「だからぁ…お嬢っていうのはやめてっていってるでしょ?
お嬢ってなんかヤ○ザの頭の娘みたいじゃん!
私、ヤ○ザじゃないし。」

「じゃあなんて呼べばいいんですかィ」

「うーん…名前…?」

「わかりやした、名前。
じゃあ学校に行きやしょう!」










「ちょっ…もっと離れて歩いてよね!」

「ダメでさァ。
旦那から護衛を頼まれてるんでねィ…」


沖田と学校に行くのはこれが初めて。
最近は物騒だからとお父さんが護衛として私に沖田をつけた。


…変な人なんてここらへんにいないのに。
親バカだよ、ほんと。
はあ、やっと学校に着いた。





「おはようネ。」


学校に着き真っ先に会ったのは


「お、おはよう神楽!」


神楽だった…
やばい、神楽に騒がれたらやばい。
あーあ声引きつっちゃった。



「どうしたアルか?名前顔色が悪いネ。」

「べ、別になんでもなっ…」

「誰アルか?コイツ誰アルか?」


ばっ…ばれた…



「え、いや…し…親戚かなー?
同じ学校だったみたいで今日一緒に来てるだっ…」

「みんなぁー、名前に彼氏ができたって。」

「そうなの?名前ちゃん。知らなかったわ。
私に詳しく話してちょうだい。」

「いやーおめでとうございます、名前さん!」

「名前ちゃんに彼氏だとォォォ!?

俺は認めんぞォォォォォ!!」




神楽ちゃん、お妙ちゃん、新八くんにゴリ…近藤くん。
私は他にもたくさんの人に囲まれ質問の嵐。

今日1日全ての休み時間は質問攻めで消費してしまった。









「はあ…疲れた…」

「人気者でしたねィ。」

「ほんと。誰かさんのせいで。」


あーあ、ほんと疲れた。疲れた疲れた疲れ




ドンッ
誰かにぶつかった。





「いててて…すみませんでした」

「おい、姉ちゃん。
どこ見て歩いてるだよ?!
うわ、いってー。これぜってー骨折れたわー!いってー!」

あーあ、柄の悪そうな男に絡まれた。
ワザとらしい演技…

「おい姉ちゃん、どう責任とってくれんだ??
兄貴が骨折したかもしれねーじゃねえか!」

「大丈夫です。人間はそれぐらいじゃ骨折しませんから。」

「なんだとォ?!兄貴が嘘言ってるっていうのか?!コノヤロー!」


下っぱの男が私に殴りかかってきた。


…運が悪かったな、
私は防衛術として柔道や合気道を少しやっていた。
男の拳を片手で止めようとしたとき、


私の前に現れたのは…


「女の子が拳でケンカってのはよくねェや。」

「お…沖田。」


男の拳を片手で止めたのは執事、沖田だった。
その後男たちは沖田にボコボコにされた後に
指名手配されていたということで警察に連行されていった。




「あ…ありがとう、沖田。」


「総悟。これからはそう呼んでくだせェ。」


ほら、といって差し出されたのは


「手。早く出しなせェ。
名前がぶつからずにちゃんと歩けるように繋いでやりまさァ。」

「じゃあ総悟がちゃんと歩けるように繋いであげる。」





(本当は繋ぎたかったんですかィ?)
(最初に言ったのは総悟でしょ?)
(冗談のつもりで言ったんでィ。)
(私もそうだし!)
(じゃあ離しますかィ?)
(…繋いでおく。)




はーい、タイトル通りではない\(^o^)/
Sは最後くらいかな…
しかも文が長いという。

これをシリーズ化しようかと考え中。
あと2、3くらい書いて好評だったら…
次はSの部分をいれて。

では、長々と読んでいただきありがとうございました!




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