3.恐怖の笑顔





いつも通りの登校。
校門につくと、総悟がいつものように生徒たちに挨拶していた。


「沖田く…」


私もいつものように挨拶しようとすると、後ろから声をかけられた。


「おはよう、名字。」

「神威くん?!」


話しかけてきたのは同じクラスの神威くん。
確かに同じクラスなのだが、神威くんが登校時間に間に合うなんて珍しい。


「名字にちょっと話があるんだ」

「えっ…?」


こっち、と手を引かれるままに着いていった。





着いたのは誰もいない体育館裏。
神威は手を離して、私に向き合った。

「名字って、沖田と付き合ってるよネ?」

「…え?そんなわけ…私が沖田君となんか…」


私はなんとか苦笑いして誤魔化そうとするが、神威くんは引かない。
そして驚くべきことを口にした。


「俺、知ってるんだ。沖田君と君の関係。」

「えっ…?」

「そして、昨日のことも…
昨日、日番谷と二人でゲームセンターにいたでしょ?」


まわりをしっかり確認しなかったのがいけなかったんだ。
あの場に神威君がいたなんて。


「俺には秘密にしなくていいんじゃないの?」


笑顔がこんなにも怖いなんて初めて思った。


「黙らないでよ。
俺、こう見えて口かたいんだから。」

「…そう…だよ。
神威君の言ったこと合ってるよ…」


私が自白すると神威君の表情が変わった。
いつも通りの笑顔。
さっきみたいな脅すような笑顔は嘘みたい。


「でも…それを聞いてどうするの…?」

「俺、雛森さん狙ってるんだ」

「え…?」

「君は日番谷とくっついて、
傷心した雛森さんを俺が助ける!ってこと。
だから俺と手組まない?」

「ちょっと待って。
残念だけど、私は日番谷君のことは好きにならないから。」


自分で言っててちょっと辛いのはなぜ?


「とにかく、神威くんには関係ないから!」


私はそれだけ言い残して、校舎へ走って行った。






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